Wanderer (清春の曲)

清春のキャリアにおいて24作目となるシングル「wanderer」は、一般流通を介さず限定販売という形で届けられた一曲である。

このシングルは、2018年5月3日にEX THEATER ROPPONGIにて開催されたライブツアー『KIYOHARU TOUR 天使の詩2018『LYRIC IN SCARLET』』の最終公演において、会場での物販および清春の公式通販サイトのみで入手可能な限定盤としてリリースされた。

本楽曲の制作には、特筆すべき経緯が存在する。当初、「ジプシー」というタイトルが付けられ、同時期に制作が進められていたアルバム『夜、カルメンの詩集』への収録が予定されていた。

しかし、レコーディング作業が完了した後になって、この「ジプシー」という言葉が差別的な意味合いを含む可能性があると判明したため、清春および制作サイドは、アルバムへの収録を見送るという判断を下した。楽曲自体の完成度は高かったものの、タイトルに起因する懸念から、日の目を見ないままお蔵入りとなる危機に瀕していたのである。

こうした状況を経て、本楽曲はタイトルを「wanderer」へと改めることで、改めて単独のシングルとして世に送り出されることとなった。タイトル変更という異例の措置を経てリリースに至ったという背景は、このシングルに特別な物語を与えている。

シングルのジャケットアートワークは、清春が率いるバンドsadsのベーシストとして活動するYUTAROが手がけている。YUTAROは以前にも清春の作品でジャケットデザインを担当しており、その独自の世界観が「wanderer」のヴィジュアルイメージを形作っている。

楽曲のサウンドメイキングには、多数の著名なミュージシャンが参加している。

ギターはDURAN。
ベースは沖山優司。
ドラムはKatsuma。
キーボードは中村圭作。
パーカッションは容昌。
プログラミングは三代堅。

これらの実力派ミュージシャンたちが集結し、清春の世界観を表現する演奏を披露している。タイトルの持つ「放浪者」や「旅人」といったイメージが、彼らの織りなすサウンドにどのように反映されているのかは、聴きどころの一つと言えるだろう。限定販売という形態であったため、多くのファンにとっては貴重なアイテムとなっている。

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