We are the Fellows

アルバム概要

『We are the Fellows』（ウィー・アー・ザ・フェローズ）は、日本のシンガーソングライター、ASKAがリリースしたベスト・アルバムです。この作品は、彼のソロデビュー30周年を記念して企画されました。販売はヤマハミュージックエンタテインメントホールディングスより行われ、当初は2018年3月12日から5月7日までの期間限定・通販のみで販売されました。その後、同年10月17日には一般流通での販売も開始されています。

制作背景と企画

本作は、ASKAのキャリアにおいて、ソロ名義のベストアルバムとしては1999年に発表された『ASKA the BEST Selection 1988-1998』以来、約19年ぶりのリリースとなりました。この作品が特に画期的なのは、収録曲がファンからの投票によって選定された点です。ASKAがソロとして発表した全99曲（シングル曲およびアルバム収録曲を含む）を対象にアンケートが実施され、その中で特に人気の高かった13曲が収められています。

企画の発端は、30周年記念のベスト盤制作を勧められたことでした。これまでのCHAGE and ASKA関連作品を含む様々なベストアルバムにおいて、選曲や監修を他者に任せていた状況に対し、ASKA自身が「本当のベスト盤」を作りたいという強い思いを抱くようになりました。自身の選曲ではなく、「これまでずっと支えてくれた皆さんによる選曲を、一番のベースにした一枚にしたい」という考えが、このアルバムの中心的なコンセプトとなりました。ASKAオフィシャルサイトを通じてファン投票が募られ、その結果が本作の収録曲に直接反映されています。ASKA本人が自身のソロ作品の監修を手掛けるのは、本作と、同時期にリリースされた本人選曲盤『Made in ASKA』が初めてとなります。本作の選曲について、ASKAは「『はじまりはいつも雨』のような広く知られた曲も含まれており、ファンの方々が世間に紹介するならこの曲、という客観的な視点で選んでくださったのかもしれない」とコメントしています。

収録内容と仕様

収録されている13曲は、ファン投票で寄せられた人気順に並べられています。初期の楽曲には「飛鳥涼」名義で発表されたものも含まれますが、本作では全て「ASKA」名義で統一して記載されています。アルバムには、「はじまりはいつも雨」や「晴天を誉めるなら夕暮れを待て」、「けれど空は青 〜close friend〜」、「月が近づけば少しはましだろう」など、ASKAのキャリアを彩る様々な楽曲が収められています。中でも「晴天を誉めるなら夕暮れを待て」のシングル・バージョンや、「君が愛を語れ」のシングル・バージョンは、国内盤アルバムとしては本作が初収録となりました。

音源については、ASKA監修のもと、全曲にリマスタリング処理が施されています。さらに、高音質フォーマットであるUHQ-CD（Ultimate High Quality CD）が採用されており、これによりマスターテープが持つ音情報をより忠実に再現することを目指しています。また、アルバムには散文詩「響き」が収載されており、音楽作品としてだけでなく、読み物としても楽しめる内容となっています。

アンケート実施詳細

ファン投票は、2018年1月24日から2月28日まで、ASKAオフィシャルサイト上で実施されました。ASKAがソロアーティストとしてこれまでに発表した99曲の中から、一人につき最大10曲を選択して投票する形式で行われました。投票時には具体的なアルバム制作の目的は明示されていませんでしたが、事前にASKAは自身のブログで、ファン選曲によるベスト盤制作への強い意欲と計画を語っていました。なお、ASKAによると、特定の楽曲が上位（例えば15位、17位、18位あたり）に入っていた場合、諸般の事情により本作の発売自体が困難になる可能性もあったと後に明かされています。このエピソードは、収録曲決定の背景にあった複雑な状況の一端を示唆しています。

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