WebBoy

WebBoy（ウェブボーイ）

WebBoyは、IBMが1997年に日本市場向けに開発・発売したDOS（DOS/V|DOS_V）用のウェブブラウザです。当時としては珍しく、DOS環境でありながらテキストとグラフィックの両方でWorld Wide Webを表示できる機能を備えていました。さらに、メールクライアント機能も内蔵しており、インターネット端末としての利用を可能にしていました。

概要

WebBoyは、DOSベースの古いパソコンをインターネット端末として再活用することを目指した「リサイクルウェア」の第一弾として位置づけられました。日本IBMが独自に開発したソフトウェアであり、日本国外では販売されていません。この背景には、当時の古いパソコンを有効活用したいというニーズと、DOS環境でもインターネットを利用したいという要望があったと考えられます。

バージョン

WebBoyは、最初のバージョン3.0から、以下の2つのバージョンが発売されました。

1. IBM WebBoy for DOS Version 3.0
1997年4月発売
HTML3.2に準拠
1998年10月販売停止
2. IBM WebBoy for DOS Version 4.0
1998年10月発売
遠隔操作機能、JavaScript 1.1などを搭載
2002年11月販売停止


Version 4.0では、遠隔操作機能やJavaScript 1.1への対応など、機能が強化されました。しかし、日本語表示に関してはUnicodeには対応していませんでした。

特徴

DOS環境でWWW表示が可能
テキストとグラフィックでの表示に対応
メールクライアント機能を内蔵
古いパソコンの再活用を目的とした「リサイクルウェア」
日本IBMによる日本市場向けの独自開発
日本語表示はUnicodeに非対応

リサイクルウェアとしての展開

WebBoyは、単なるウェブブラウザとしてだけでなく、古いパソコンをインターネット端末として再利用するというコンセプトを持っていました。このため、2000年3月には、PC DOS 2000とのバンドルパッケージ「グリーン・ソフトウェア・パッケージ」も発表され、古いパソコンの活用を促進しました。

書籍

1997年には、「WebBoy活用術―DOSマシンをインターネット専用機に変える」（ソフトバンク）という書籍も出版され、WebBoyの活用方法が紹介されました。

関連情報

開発・販売元: 日本IBM
対応OS: DOS (DOS/V|DOS_V)
主な機能: ウェブブラウジング、メールクライアント
販売終了: 各バージョンで異なる

外部リンク

日本IBM、旧型機をよみがえらせるDOS用のWebブラウザ「WebBoy」を発表 - PC Watch
IBM WebBoy for DOS Version 4.0 日本語版 発表のお知らせ - 日本IBM
WebBoy for DOS Version 4.0 日本語版 の営業活動終了のお知らせ - 日本IBM
WebBoyの修正および体験版の入手先(FTP) - 日本IBM
* 究極のDOSマシン計画 WebBoy編


WebBoyは、当時としては珍しいDOS環境でのインターネット利用を可能にした画期的なソフトウェアでした。そのユニークなコンセプトと、古いパソコンの再活用という試みは、当時のユーザーに支持されました。

もう一度検索