Who (UNIX)

whoコマンドとは

`who`コマンドは、Unix系オペレーティングシステムにおいて、現在システムにログインしているユーザーに関する情報を表示するための標準的なコマンドです。このコマンドを実行することで、どのユーザーがどの端末からログインしているか、いつログインしたかなどの基本的な情報を確認できます。

関連コマンドとして`w`コマンドがあり、こちらもユーザー情報を表示しますが、`who`コマンドよりも詳細な情報を出力します。

仕様とオプション

`who`コマンドの基本的な仕様は、Single UNIX Specification (SUS) によって定められていますが、具体的な出力内容やオプションは実装に依存する部分があります。X/Open System Interfaces (XSI) 拡張では、ユーザー名、端末、ログイン時刻、プロセスID、最後に活動した時間といった詳細な情報を表示することが定められています。

さらに、`who`コマンドはオプション引数によってユーザー情報取得に利用するデータベースを変更することが可能です。例えば、`/var/run/wtmp`のような別のデータベースを指定できます。

また、`who am i` あるいは `who am I` のように引数を指定して実行すると、現在の端末に関する情報だけを表示できます。これは、`-m`オプションを指定した場合と同じ結果になります。

主要なオプション

SUSでは、`-m`、`-T`、`-u` の3つのオプションが定義されていますが、XSI拡張ではさらに多くのオプションが規定されています。

`-a`: `-b`、`-d`、`-l`、`-p`、`-r`、`-t`、`-T`、`-u` の各オプションを組み合わせて、ユーザー情報データベースを処理します。
`-b`: システムが最後に再起動された時刻を表示します。
`-d`: ゾンビプロセスとその関連情報を表示します。
`-H`: 出力に行ヘッダーを追加します。
`-l`: ユーザーがログインに使用できる端末を表示します。
`-m`: 現在の端末に関する情報のみを表示します。`who am i` と同じ結果になります。
`-p`: 現在アクティブなプロセスを表示します。
`-q`: クイックフォーマットで、ログインしているユーザー名と合計人数のみを表示します。`users`コマンドと同等の機能です。
`-r`: `init`プロセスのランレベルを表示します。
`-s`: デフォルトの表示形式で、ユーザー名、端末、詳細時刻のみを表示します。
`-t`: システムクロックが最後に変更された時刻を表示します。
`-T`: 各端末の詳細情報を標準フォーマットで表示します。
`-u`: アイドル時間、つまり最後に端末で操作が行われてからの経過時間を表示します。XSIでは、ログインユーザーと端末が現在利用されているかどうかも表示します。

他のUnix系OSでは、上記に加えて独自のオプションを持つ場合があります。例えば、GNU Core Utilitiesの`who`では、`-i`オプションが`-u`オプションと同様に動作し、`-w`オプションでユーザーが`write`コマンドでメッセージを受け付けられるかどうかを表示できます。

GNU版とBSD版の`who`コマンドでは、`-a`、`-b`、`-d`などのオプションが省略されています。GNU版では`-l`オプションが、ホスト名を出力する際にDNS検索を行うかどうかのスイッチとして使われています。

出力フォーマット

SUSでは、`who`コマンドの出力フォーマットは実装依存とされています。XSI拡張ではフォーマットについても記述がありますが、完全に定義されておらず、区切り文字やフィールドの長さが明確に決まっていません。そのため、`who`コマンドの出力フォーマットはUnix系OSの実装によって大きく異なります。

関連コマンド

`whoami`: 現在ログインしているユーザー名を表示するコマンド。
`w`: `who`コマンドよりも詳細な情報を表示するコマンド。

外部リンク

who(1) コマンドのmanページ
who(1) man page（SunOS リファレンスマニュアル）
who(1) man page（HP-UX リファレンス）
* who -- (英語) Single Unix Specificationのwhoのページ

(URL1, URL2, URL3, URL4 は実際のURLに置き換えてください。)

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