Windows システム評価ツール

Windows システム評価ツール（Windows System Assessment Tool, WinSAT）は、Windows VistaからWindows 10に搭載されている、システムの性能を測定し、結果を数値で報告するツールです。

評価項目とスコア

WinSATは、以下の5つの主要な項目を評価します。

プロセッサの速度: CPUの処理能力を測定します。
主記憶装置の速度: メモリのデータ転送速度を測定します。
グラフィックス性能: 2次元グラフィックス処理能力を測定します。
ゲーム用グラフィックス性能: 3次元グラフィックス処理能力を測定します。
ハードディスクドライブの転送速度: ストレージデバイスのデータ読み書き速度を測定します。

これらの項目はそれぞれ、以下のスコアに換算されます。

Windows Vista: 1.0から5.9
Windows 7: 1.0から7.9
Windows 8以降: 1.0から9.9

測定結果はWindowsエクスペリエンスインデックスに報告され、最も低いスコアが基本スコアとして表示されます。この基本スコアは、Windowsを快適に利用できるかどうかの指標となります。例えば、グラフィックス関連のスコアが低い場合、Windows Aeroといったグラフィカルユーザーインターフェースの利用に制限が生じることがあります。具体的には、スコアが2.0未満の場合、Aeroは利用できず、2.0以上3.0未満の場合は動作するものの、透明効果などの快適な利用は期待できません。

WinSATのテスト項目

WinSATは、上記の5項目のスコアを算出するために、以下のテストを実施します。

Aero評価
Direct3D Alpha Blending評価
Direct3D Texture Load評価
Direct3D ALU評価
Windows Mediaファイルの再生
CPUパフォーマンス
メモリパフォーマンス
ディスクパフォーマンス

Windows エクスペリエンス インデックスと推奨されるPC利用

マイクロソフトは、基本スコアに対するPCの使い勝手を以下のように例示しています（Windows 7の場合）。

スコア2: ワードプロセシングやウェブブラウジングなどの基本的な用途に十分です。
スコア4以上: グラフィックスを多用するソフトウェアの使用に適しています。

WinSATの現状

Windows 8以降、この機能は公式には廃止されましたが、WinSAT自体はシステムに存在しています。そのため、非公式ツールを使用することで、Windowsエクスペリエンスインデックスの測定を再び行うことができます。

補足

WinSATは、Windowsのパフォーマンスを評価するための有用なツールでしたが、現在は公式には使用されていません。しかし、システムの性能を把握するための参考として、非公式ツールを利用することも可能です。

外部リンク

Windowsエクスペリエンスインデックスとは？

もう一度検索