Windows Anytime Upgrade

Windows Anytime Upgradeについて

Windows Anytime Upgrade（WAU）は、ユーザーが自身のWindowsオペレーティングシステムをより上位のエディションに簡単にアップグレードできるオンラインサービスです。このサービスはWindows VistaおよびWindows 7に搭載されていますが、Windows 8以降は名称が変更され、アップグレードの手続きが一層容易になりました。

Windows Vistaでの利用

Windows Vistaでは、ユーザーはDVDメディアを使用してアップグレードを行う形式が採られていました。Windows XP時代からの流れを引き継ぎ、ライセンスのオンライン販売は2008年2月に終了しました。それ以後、Vistaユーザーはステップアップグレード用のパッケージ版を購入する必要がありました。

Vistaにおけるアップグレードパスには、以下の4つの選択肢が存在しました。

• - Home BasicからHome Premium
• - Home BasicからUltimate
• - Home PremiumからUltimate
• - BusinessからUltimate

なお、Ultimateエディションは最上位エディションであるため、WAUの利用はできません。

Windows 7での進化

Windows 7では、すべてのエディションで共通のインストールプログラムが採用され、プロダクトキーにより利用できる機能が管理される方式へと進化しました。このおかげで、アップグレードに必要なメディアを用意する必要がなくなり、手続きも短時間で完了するようになりました。ユーザーは起動したプログラムに従って、アップグレードキーを購入、または既に保有しているキーを入力することで、簡単に上位エディションに変更できます。

Windows 7では、以下の6つのアップグレードパスが用意されています。

• - StarterからHome Premium
• - StarterからProfessional
• - StarterからUltimate
• - Home PremiumからProfessional
• - Home PremiumからUltimate
• - ProfessionalからUltimate

ただし、Home BasicとEnterpriseはWAUを利用しての上位エディションへの移行ができず、UltimateはWAU機能そのものが用意されていません。

Windows 8以降のアップグレードの変化

Windows 8以降のバージョンでは、アップグレード手続きが「Windows #への機能の追加」として再ブランド化されました。これによりユーザーは、各Pro版のライセンスをオンラインで購入することで、エディションの変更が可能となりました。具体的には、Windows 8および8.1のユーザーは、無印版からPro版へのアップグレードが可能で、ディスクなしで手続きを行えます。

Windows 10や11では、いくつかの異なるアップグレードオプションが提供されています。例えば、HomeエディションからPro版への移行は、リテールまたはDSP版のプロダクトキーを使用して行えるほか、Microsoft Storeでの購入もサポートされています。

Windows 10でのアップグレード例

• - HomeからPro
• - HomeからEducation（ボリュームライセンス契約者向け、ライセンス更新時のみ）
• - ProからEnterprise（ボリュームライセンス契約者向け、ライセンス更新時のみ）

Windows 11でのアップグレード例

• - HomeからPro
• - HomeからEducation（ボリュームライセンス契約者向け、ライセンス更新時のみ）
• - ProからEnterprise（ボリュームライセンス契約者向け、ライセンス更新時のみ）

まとめ

Windows Anytime Upgradeは、ユーザーがオペレーティングシステムのエディションを容易に上級版へ移行できるように設計されています。Vistaから始まり、Windows 8以降のバージョンでも効率的且つシームレスなアップグレードを実現しており、ユーザーのニーズに応える重要な機能となっています。

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