Wise (企業)

Wise：低コストで迅速な国際送金サービス

Wise（ワイズ、旧称トランスファーワイズ）は、2011年にエストニア出身のクリスト・カーマンとターヴェット・ヒンリクスによって設立された国際送金サービスです。従来の高額な手数料に不満を持っていた両創業者が、独自の送金システムを開発し、世界中にサービスを提供するまでに成長を遂げました。

手数料を抑えた送金システム

Wiseの最大の特徴は、従来の銀行送金とは異なるP2P（ピアツーピア）送金システムを採用している点です。送金依頼を仲介するのではなく、世界中の送金需要をマッチングさせることで、手数料を大幅に削減することに成功しました。送金はインターバンクレートに基づいて行われ、為替手数料は発生しません。これにより、従来の銀行送金と比較して、非常に低コストで送金を行うことができます。

多様な通貨に対応するマルチカレンシー口座

Wiseは、マルチカレンシー口座（ボーダレス口座）サービスも提供しています。この口座では、50種類以上の通貨を一つの口座で管理することができ、複数の通貨を保有・両替できます。海外取引の多いフリーランスや企業にとって、非常に便利なサービスです。さらに、この口座に紐づいたデビットカードも発行しており、世界中で利用可能です。

国際送金における革命

Wiseの設立は、国際送金業界に大きな変革をもたらしました。従来、国際送金は高額な手数料と複雑な手続きがネックでしたが、Wiseはこれらの問題を解決し、個人や企業にとってより容易で低コストな送金を実現しました。

急成長を遂げた企業

2012年のサービス開始以来、Wiseは驚異的な成長を遂げています。サービス開始初年度の送金額は1,000万ユーロでしたが、2017年には営業利益を達成し、月間送金額は10億ポンドに達しました。2019年には企業価値が35億米ドルと評価され、2021年にはロンドン証券取引所に直接上場を果たしました。上場時の時価総額は79億ポンド（約1兆2100億円）に上り、世界的なFinTech企業としての地位を確立しました。

サービスの利用方法

Wiseの利用方法はシンプルです。送金先、金額、通貨を指定するだけで、送金手続きが完了します。初回利用時には、本人確認のために身分証明書のアップロードが必要になります。その後は、スムーズに送金を行うことができます。

手数料について

Wiseの手数料は、送金額と通貨によって異なります。固定手数料と送金額に対する割合手数料の合計が手数料となります。銀行送金と比較して、大幅に手数料を抑えられている点が特徴です。手数料の詳細は、Wiseの公式ウェブサイトでご確認ください。

日本における展開

日本では、2016年9月に資金移動業者として正式サービスを開始しました。2018年には法人送金サービスも開始し、日本国内での利用者も増加しています。

まとめ

Wiseは、低コストで迅速な国際送金サービスを提供する革新的なFinTech企業です。P2P送金システムとマルチカレンシー口座により、個人や企業の海外送金における課題を解決し、世界中で高い評価を得ています。今後も、国際送金業界をリードする存在として、更なる成長が期待されます。

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