World Of Music

ZEEBRA『World Of Music』：音楽の旅を体感する一枚

ZEEBRAの5作目となるアルバム『World Of Music』は、そのタイトルが示唆するように、多様な音楽性を詰め込んだ、リスナーを音楽の旅へと誘う作品です。多様なジャンルの楽曲が収録されており、まるで世界中を旅しているかのような感覚を味わえる、聴き応えのある一枚となっています。

アルバム全体の構成、特に楽曲の順番には、ZEEBRA自身の並々ならぬこだわりが感じられます。様々な候補を検討した結果、最終的には彼のライブパフォーマンスの構成を参考に決定したとのこと。ライブでの盛り上がりを彷彿とさせるような、自然で心地よい流れが、アルバム全体を貫いています。

収録楽曲は、イントロとなる「World Of Music(intro)」から始まり、多様なアーティストとのコラボレーション楽曲、そしてZEEBRA自身の個性が際立つ楽曲まで、バラエティに富んだ内容となっています。

例えば、「運命」では、マイケル・ジャクソン、RIZE'>[ハービー・ハンコック]]、マーヴィン・ゲイといった音楽史に残るレジェンド達への言及が歌詞の中に登場します。これらの言及は、ZEEBRA自身の音楽への深い愛情とリスペクトを感じさせると共に、楽曲に深みを与えています。また、[[Jesse]をフィーチャリングした「Not Your Boyfriend」は、2001年の「I Can't Live Without My Radio」以来となるコラボレーションで、当時からのファンにとっては感慨深い一曲と言えるでしょう。

さらに、「赤ちゃんポスト」をテーマにした「Everybody Needs Love」は、本来はキングギドラとして制作される予定だった楽曲だったという、意外なエピソードも持っています。この楽曲では、シャイ・ライツの「I'm Not A Gambler」がサンプリングされており、ZEEBRAの幅広い音楽的知識とセンスが光る一曲となっています。加藤ミリヤとのコラボレーション楽曲「My People」や、豪華客演陣を迎えた「360° feat.OJ Flow,KM-MARKIT,Aktion,Braidz,Gotz&Uzi」など、聴き所満載の作品です。

プロデュース陣も豪華で、Inovader、Focis、D-Originu、318、Dj Hasebe a.k.a. Old Nick、Dj Pmx、Zeebra自身、Geek a.k.a. Dj TAIKI、Buzzer Beatz、Jashwon & T-KCといった、日本のヒップホップシーンを代表するプロデューサーたちが参加しています。それぞれのプロデューサーの個性が際立つサウンドは、楽曲に多様性と深みを与え、アルバム全体のクオリティをさらに高めています。

『World Of Music』は、単なる楽曲集ではなく、ZEEBRAの音楽人生、そして音楽への深い愛情が凝縮された、まさに集大成とも言うべき作品です。各楽曲の個性、そしてそれらが織りなす全体の構成の素晴らしさ、そして豪華な客演陣の参加により、聴く者の心を強く掴む、非常に完成度の高いアルバムと言えるでしょう。ヒップホップファンのみならず、幅広い音楽リスナーにオススメしたい、必聴の一枚です。

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