XB-27 (航空機)

XB-27（Martin XB-27）について

XB-27は、かつてアメリカの航空機メーカー、マーティン社によって設計が試みられた高高度中型爆撃機です。この機体は社内ではModel 182という名称で参照されていました。アメリカ陸軍航空隊は当時、強くこの新型爆撃機の必要性を感じていましたが、最終的に設計段階でプロジェクトは中止され、試作機すら製造されることはありませんでした。

開発背景

マーティン社は、既に運用されていたB-26爆撃機の成功をもとに、XB-27の開発に取り組みました。この新機体の設計は、B-26の特長を活かしつつ、より大型化したものであり、様々な改良が加えられました。特に、XB-27では主翼が延長されており、内部が与圧されていることで高高度での運用が可能とされました。また、エンジンにはターボチャージャー付きのP&W R-2800-9が搭載され、大幅な性能向上を見込んでいました。

設計仕様

XB-27の設計目標は以下の通りです。

• - 全長: 18.50メートル
• - 全幅: 25.60メートル
• - 全高: 6.10メートル
• - 全備重量: 15,000キログラム
• - エンジン: P&W R-2800-9 空冷18気筒 2000hp×2
• - 最大速度: 450km/h
• - 実用上限高度: 10,200メートル
• - 航続距離: 4,600キロメートル

武装と乗員

XB-27は、爆撃能力を高めるために以下の武装を想定していました。

• - 従来の爆弾1,800kg
• - 7.62mm機銃×3
• - 12.70mm機銃×1

乗員は7名を予定しており、これにより高高度任務を遂行するための多彩な機能を持つ機体として設計されていました。

プロジェクトの終了

残念ながら、XB-27は設計段階での中止が決定され、試作機の完成を見ることはありませんでした。この中止は、当時の技術的な課題や資源の配分に起因していると考えられています。そのため、XB-27はアメリカ陸軍航空隊の運用史に残ることなく消え去りました。後の時代には、XB-27のデザインが新たな航空機の開発に影響を及ぼすことはありませんでした。

このように、XB-27は航空機開発の歴史の中で一つの試みとして存在し、未完のままであったものの、その設計理念や背景は今なお興味深いテーマとして語り継がれています。

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