XB-53 (航空機)

XB-53 (Convair XB-53) の概要

XB-53は、アメリカの航空機メーカーであるコンベアが1950年代に計画した前進翼を持つ爆撃機の名称です。この機体は、当初の設計から派生したものであり、最終的に実機が完成することなくプロジェクトは終了しました。

開発の背景

1945年、コンベア社は初のジェット爆撃機となるXB-46の試作機を3機、アメリカ合衆国陸軍航空隊向けに製造する契約を結びました。しかし、胴体形状に関する問題から、この機体が不採用となる可能性が浮上したことを受け、コンベアは試作機のうち2機の製造を中止し、その予算を活用して攻撃機型の設計へと方向転換を提案しました。結果として、攻撃型はXA-44という名称が付けられ、XB-46の計画から予算を転用して2機が製作されることとなります。

設計理念

XA-44の設計においては、12.7mm機関銃を機首に12挺、旋回銃塔に8挺搭載する予定でしたが、その火力では性能不足が懸念されました。これを踏まえ、前進翼を持つジェット機の構想が持ち上がりました。前進翼は、翼を前方に傾斜させたもので、後退翼のように機体の特性を活かす効果が期待されたほか、基本的に失速限界が高くなる利点があるとのことでした。

具体的には、設計案では主翼は30度の前進翼で、8度の下反角を持っており、機体の後部にはゼネラル・エレクトリックのJ35-GEターボジェットエンジンを3基搭載する計画でした。この前進翼のアイデア自体は、当時のドイツから影響を受けたものとされています。

名称変更と計画の終了

1948年には、この機体に対してXB-53という新しい名称が与えられましたが、1949年には2機の試作機が完成する前に計画が中止されました。この結果、アメリカ初の前進翼爆撃機となるはずだったXB-53は、完成を見ずに幻の存在となりました。

計画時の性能要目

• - 乗員: 4名
• - 全長: 24.20 m
• - 全幅: 24.60 m
• - 高さ: 7.22 m
• - 翼面積: 1,370 ft²
• - 最大離陸重量: 27,000 kg
• - エンジン: ゼネラル・エレクトリック J35 ターボジェット 3基、各4,000 lbf (18 kN)
• - 最大速度: 930 km/h
• - 航続距離: 3,200 km
• - 実用上昇限界高度: 13,400 m
• - 武装: 爆弾12,000ポンド (約5,400kg)

まとめ

XB-53は、戦後の航空機開発における特徴的な試みの一つとして記憶されています。その高性能を追求する姿勢は、近代航空機の設計における重要なステップとなったといえるでしょう。

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