XDCC

XDCCとは

XDCC（Xabi DCCもしくはeXtended DCC）は、Internet Relay Chat（IRC）ネットワークを介してファイルを共有する手段の一つです。この技術は、元々のDCCプロトコルの制約を解消するために開発され、特に大きなサイズのファイルや複数のファイルを効率よく転送することに特化しています。

歴史

XDCCは1994年にXabiによってircII用のスクリプトとして最初に作られました。このスクリプトは、ircIIのDCCコマンドを拡張し、ユーザーが複数のファイルを一括で要求したり送信したりできるように設計されました。現在では、XDCCという言葉は、IRCボットを介してファイルを共有するプログラム全般を指すようになりました。これらのボットは通常、大きなファイルを提供し、DCCプロトコルを使用してダウンロードを行います。XDCCは、特に違法コンテンツの配布に用いられることが多く、ソフトウェア、音楽、映画などのファイルを対象としています。

特徴

XDCCの大きな特長は、P2P転送とは異なり、高速なインターネット接続を持つサーバーでホストされる点です。これにより、100Mbitを超える上り帯域幅を持つサーバーが多く、効率的なファイル共有が可能になります。また、XDCCサーバーではFTPサーバーが動作していることが一般的で、ファイルのアップロードが容易に行えます。残念ながら、多くのXDCCサーバーはセキュリティが不十分なコンピュータ上で運営されており、この点は注意が必要です。

利用方法

XDCCを利用するためには、mIRCやHexChatといったIRCクライアントソフトウェアが必要です。ファイルの受信には、ソフトウェアの適切な設定が必要であり、誤った設定ではダウンロードが拒否されることもあります。利用方法は以下の通りです：

1. IRCクライアントを使ってボットにプライベートメッセージを送ります。たとえば、`xdcc list`と送信すると、ボットが持っているファイルのリストを確認できます。ただし、この機能は多くのサーバーで無効化されています。
2. ファイルをダウンロードする場合、`xdcc send #<パック番号>`の形式でコマンドを送ります。これにより、ボットが希望するファイルをユーザーに送信し始めます。ボットが多忙な場合、ファイルはキューに追加され、順番を待つことになります。
3. 一部のチャンネルでは、特殊なルールが適用されることがあり、ダウンロード中に指定のチャンネルに参加しなければならない場合もあります。

加えて、mIRC用のXDCCKlipperなどのアドオンを使用することで、ボットがチャンネルに投稿する情報を効率的に管理し、ボットの状況（転送速度や待機中のファイルなど）をチェックできるようになります。

まとめ

XDCCは、IRCネットワークを活用した効率的なファイル共有手段であり、特に大量のデータを扱う際にその力を発揮します。技術の進化に伴い、安全性の観点からも注意が必要ですが、適切に利用することで多様なファイルを簡単に共有することが可能です。

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