XKeyscore

XKeyscoreについての詳細

概要

XKeyscore（エックスキースコア）は、アメリカの国家安全保障局（NSA）が運営する高度なデータ検索システムで、世界中の外国人に関するインターネット上の情報を収集し、分析する目的で設計されました。このプログラムは、オーストラリアの国防信号局（DSD）やニュージーランドの政府通信保安局（GCSB）といった各国の諜報機関とも連携しています。XKeyscoreの存在は、元NSA職員のエドワード・スノーデンによって2013年7月に初めて明らかにされ、その後の報道で多くの注目を集めました。

暴露とメディアの反応

暴露当初、エドワード・スノーデンはXKeyscoreの機能や影響についてシドニー・モーニング・ヘラルド紙やオ・グロボ紙で詳細に報じられました。これにより、XKeyscoreは外国の電子メールの言語を分析し国籍を特定する能力を持つプログラムであることが報告されました。また、XKeyscoreは特定の情報を数日遡って取得できる能力も持っており、多様なメタデータを取得する機能が強調されました。

仕組みと機能

XKeyscoreのシステムは、ユーザーインターフェース、データベース、サーバー、およびNSAが取得した特定のメタデータを選別するためのソフトウェアで構成されています。このシステムは、次の3つの主要な情報源からデータを収集します。まず、F6として知られる在外米国大使館や領事館からの特別収集サービス、次にFORNSATとしての外国衛星からの傍受、さらにSSO部門による通信ケーブルの盗聴だ。XKeyscoreは、特定の条件下で通信内容を検索でき、これにより異常なパターンを捉えることが可能です。

例えば、分析官はドイツ語を話すパキスタン在住者のリストを作成したり、イランで使用される全てのPGP情報を追跡することができます。これにより、特定の個人に焦点を当てることなく、大量のデータから意味のある情報を見つけ出すことができます。

サーバとインフラ

XKeyscoreの運用は、世界中に設置された700を超えるサーバに支えられており、特にオーストラリアとニュージーランドの基地も含まれています。これらの設置により、広範囲なデータの収集が行われ、NSAは継続的にインターネットデータを集積しています。メタデータは30日間保存され、通信内容は通常3〜5日間のみストレージに残ります。データ量は1日あたり20テラバイトを超えることもあると報告されています。

各国での導入

ドイツの諜報機関であるBND（国外諜報活動）やBfV（国内諜報活動）はXKeyscoreへのアクセスを許可され、情報収集の目的で利用されています。特にBNDは、NSAの緊密なパートナーとして知られています。2013年には、ドイツ議会でこのプログラムに関する議論が繰り広げられました。一方、日本でも2013年にNSAがXKeyscoreを提供したとの報道がありましたが、防衛省は具体的なコメントを控えています。

NSAの見解

NSAはXKeyscoreの利用について、合法的な外国の諜報活動の一環として行われていると強調しています。収集された情報は国の安全保障のために使用され、厳密な監視体制の下で管理されていると主張しています。

結論

XKeyscoreは、高度なデータ収集と分析機能を持つシステムとして、国際的な諜報活動において重要な役割を果たしていますが、そのプライバシー侵害の懸念も孕んでいます。各国および国際的な人権団体において、今後もその影響を巡る議論が続くでしょう。

もう一度検索