XP-13 (航空機)

XP-13 - トーマス・モース・エアクラフトによる試作機

XP-13は、アメリカのトーマス・モース・エアクラフトによって設計された試作の複葉戦闘機で、愛称は「ヴァイパー」と名付けられています。この機体は、1919年に成功を収めたトーマス・モースMB-3に続く試みとして、1929年にアメリカ陸軍に納入されました。

設計と開発

XP-13は、B・ダグラス・トーマスによって設計され、陸軍からの発注を得ることを目指していました。この機体は、1929年6月に正式に陸軍に納入され、XP-13の名称が与えられました。XP-13の胴体は金属製フレームで構成され、外皮には波形のアルミニウムを用いています。運動用の翼も金属フレームで作られていますが、その外皮には伝統的な素材が使われています。

本機は当初、600馬力のカーチスH-1640-1チーフテンエンジンを搭載する計画でしたが、独特のエンジン設計が冷却効率に悪影響を及ぼしました。このため、1930年9月にエンジンを450馬力のプラット＆ホイットニーSR1340Cワスプに換装することになりました。意外なことに、馬力が低下したにもかかわらず、最高速度は24km/h上昇しました。この変化は、機体の軽量化によるものと考えられています。

最終的に、アメリカ陸軍はXP-13の生産発注を見送ることとなり、その後、トーマス・モース社はコンソリデーテッド社に合併されました。XP-13の試作機は、飛行中に火災が発生し、失われてしまいました。

各型解説

1. XP-13 - 試作機（シリアル29-453）。600馬力のカーチスH-1640-1チーフテンエンジンを搭載。
2. XP-13A - XP-13を525馬力のプラット＆ホイットニーSR-1340-Cに換装し、全体をNACAカウリングで覆い、尾翼や方向舵にも改良を施したモデル。
3. XP-14 - カーチスH-1640-1チーフテンエンジンを装備し、カーチス社による生産が予定されていた型で、実機は存在しません。

要目（XP-13）

• - 乗員: 1人
• - 全長: 23フィート6インチ（約7.16メートル）
• - 全幅: 28フィート0インチ（約8.53メートル）
• - 全高: 8フィート5インチ（約2.56メートル）
• - 翼面積: 189平方フィート（約17.6平方メートル）
• - 空虚重量: 2262ポンド（約1026キログラム）
• - 全備重量: 3256ポンド（約1477キログラム）
• - エンジン: カーチスH-1640-1チーフテン 12気筒複列星型空冷エンジン（600 hp）×1
• - 最高速度: 150ノット（約172 mph、約277 km/h）
• - 巡航速度: 113ノット（約130 mph、約209 km/h）
• - 航続距離: 168海里（約193マイル、約312 km）
• - 上昇限度: 20,775フィート（約6,300メートル）
• - 上昇力: 1,700フィート/分（約8.64 m/秒）
• - 武装: なし

XP-13は独特の設計と機能を持っていましたが、最終的には生産されることはありませんでした。」

このモデルは、航空機設計の歴史における重要な試みの一つとされ、陸軍航空隊における革新の一環となりました。

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