XP-15 (航空機)

ボーイング XP-15

ボーイング XP-15は、アメリカ合衆国の陸軍向けに開発された試作単葉戦闘機で、ボーイング社によって製造されました。これは、XP-9に続く同社の試作機の一つであり、その設計には当時の戦闘機技術の進化が見られます。

設計と開発

この機体は、複葉戦闘機であるボーイング P-12を基にしており、その主な違いは下翼を省略したことにあります。また、全体の構造は金属製であり、補助翼も同様に全金属製が採用されていました。XP-15には、左右独立した主脚と尾輪が装備されており、当時の設計の新しさが際立っています。本機は社内では「モデル202」として呼ばれており、特定の呼称が与えられていました。

アメリカ陸軍は試験機関としてXP-15を指定し、試験が実施されましたが、最終的にはこの機体の量産は行われず、民間機登録番号のNX270Vも保有することとなりました。

初飛行は1930年1月に行われましたが、その中でP-12Cタイプの垂直安定板のサイズを大きくする必要があることが判明しました。当初の最高速度は178 mph（285 km/h）でしたが、尾翼の面積を広げたり、タウネンド・カウリングを取り入れることで、8,000フィート（約2,440m）の高度で190 mph（304 km/h）という記録を達成しました。しかしながら、上昇力や着陸速度に関しては期待を下回る結果となりました。最終的に、XP-15の試作機は1931年2月7日にプロペラブレードの損傷とエンジン剥離による事故で壊れてしまいました。

海軍向けには、XP-15とほぼ同じ設計の「モデル205」が提案され、こちらは1930年2月に初飛行し、アメリカ海軍からの発注を受けました。モデル205の飛行試験は1932年に終了しましたが、その後の追加発注はありませんでした。モデル205は、アメリカ海軍が最初に名付けた単葉機XF5Bとして運用されました。

使用国

XP-15は、アメリカ合衆国の陸軍および海軍で使用されました。陸軍向けの呼称はXP-15、海軍向けはXF5Bです。

要目

• - 乗員: 1名
• - 全長: 21 ft（約6.40 m）
• - 全幅: 30 ft 6 in（約9.29 m）
• - 全高: 9 ft 4.5 in（約2.84 m）
• - 翼面積: 157.3 ft²（約14.61 m²）
• - 空虚重量: 2,052 lb（約931 kg）
• - 全備重量: 2,746 lb（約1,246 kg）
• - エンジン: プラット＆ホイットニー SR-1340-D（525 hp）×1
• - 最高速度: 190.2 mph（306 km/h）
• - 巡航速度: 160 mph（257 km/h）
• - 航続距離: 420マイル（676 km）
• - 上昇限度: 27,650 ft（約8,428 m）
• - 上昇力: 1,800 ft/min（約9.15 m/s）
• - 武装: 7.62mm機関銃×2挺

XP-15は、戦闘機開発史において重要な位置を占めており、当時の航空技術の進歩を象徴する一機であったと言えます。その主な特徴や性能は、今なお多くの航空ファンや歴史愛好者の関心を引きつけています。

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