XP-31 (航空機)

XP-31 スウィフト

XP-31は米国のカーチス社が1930年代にアメリカ陸軍航空隊のために設計した試作単葉戦闘機であり、内部呼称は「XP-934」です。この機体は、「スウィフト」（Swift）という愛称でも親しまれました。特筆すべき点は、XP-31がアメリカ陸軍の戦闘機の中で初めて密閉式操縦席を搭載していることですが、同時に固定式主脚と張線付き主翼を持った最後の機体でもありました。これらの革新性にもかかわらず、XP-31はその同時代のライバル機であるP-26には対抗することができず、量産には至りませんでした。

設計と開発

カーチス社は1932年に行われたP-26との競争試作において、XP-934を製作しました。この機体は支柱付きの固定式主脚を持つ低翼単葉の設計であり、初飛行は1933年7月に行われました。XP-31は初の密閉式操縦席を有する単座戦闘機として意義深いものでしたが、固定式主脚や張線付き主翼は、その後の戦闘機では標準から外れた特徴となりました。機体のサイズは小型ながらも、その重量は過剰であり、125ガロン（約474リットル）の燃料を搭載可能でした。

カーチス社は新しい技術の採用を通じて、XP-934が同時代の他機と比較して有利になると考えていましたが、実際の性能は期待を下回るものでした。そのため、試作機は早期に開発の進展が求められることとなります。

試験と評価

XP-31には700馬力のR-1750 サイクロンエンジンが搭載されていましたが、可変前縁スラットや大きな後縁フラップを備えながらも、期待された性能を発揮することができませんでした。そこで、600馬力のV-1570 コンカラーエンジンに換装されることとなります。XP-31スウィフト（シリアル33-178）はこの新たなエンジンとの組み合わせで1933年3月1日に納入されましたが、競争ではすでにP-26に敗北しており、最終的には唯一の試作機は1935年に廃棄される運命にありました。

使用国

XP-31はアメリカ合衆国のアメリカ陸軍航空隊によって開発されましたが、残念ながら運用されることはありませんでした。

要目

• - 乗員: 1名
• - 全長: 26 ft 3 in （約8.0 m）
• - 全幅: 36 ft （約11.0 m）
• - 全高: 7 ft 9 in （約2.4 m）
• - 翼面積: 203 ft² （約18.86 m²）
• - 空虚重量: 3,334 lb （約1,512 kg）
• - 全備重量: 4,143 lb （約1,879 kg）
• - エンジン: カーチス V-1570 コンカラー 12気筒水冷エンジン (600 hp) × 1
• - 最高速度: 335 km/h
• - 航続距離: 595 km
• - 上昇限度: 7,437 m
• - 武装: 0.3 in （7.62 mm）前方固定機銃 4挺（カウリング内 ×2、機首側面 ×2）

このようにXP-31は、その革新性を持ちながらも、時代の波に取り残されていました。それでも、航空機開発の歴史において重要な位置を占める試作機の一つであることには変わりありません。

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