XP-46 (航空機)

XP-46: アメリカ合衆国の戦闘機

XP-46は、1930年代から1940年代にかけてアメリカ合衆国で開発された戦闘機です。カーチス社によって設計されたこの機体は、アメリカ陸軍航空隊のための次世代戦闘機として期待されましたが、最終的には量産には至らず、試作が2機行われただけで終わりました。

開発の背景

1939年、カーチス社はP-40戦闘機の後継機を開発するにあたり、アリソンV-1710-39エンジンを搭載した新型機を陸軍航空隊に提案しました。これにより陸軍航空隊は関心を持ち、9月29日に2機のXP-46Aを発注しました。開発の目標は最大速度660 km/hであり、当時の航空戦性能を引き上げることが期待されていました。結果として、XP-46Aは航空隊の名称が与えられ、シリアルナンバーは40-3053および40-3054となりました。

初飛行と設計上の問題

XP-46Aは1941年2月15日に初飛行を行いました。しかしながら、陸軍からの要求により、自動防漏タンクや防弾装備を機体に追加する必要があり、これが設計上の重さを増加させる要因となりました。このため、XP-46は当初の計画した体重を超過し、予定された性能を達成できない結果となりました。

特に注目すべきは、機体に備えた自動前縁スラットや、機体内部に8丁の機銃を搭載していた点です。これにより、戦闘時の機動性や火力の向上が期待されていましたが、最終的にはこの機体の性能が既存のP-40を凌駕することはありませんでした。

性能と戦闘能力

XP-46の要目は以下の通りです：

• - 全長: 9.65 m
• - 全幅: 10.45 m
• - 翼面積: 19.30 m²
• - 最大速度: 571 km/h
• - 乗員: 1名
• - エンジン: アリソンV-1710-39（1,150馬力）
• - 航続距離: 523 km
• - 上昇限度: 9,000 m
• - 武装: 12.7 mm×2、7.7 mm×8（計10丁の機銃）

XP-46のデザインや技術的な革新により、当時の戦闘機の中で一定の評価は得ていましたが、特に同じエンジンを搭載していたP-40Dとの性能比較において勝ることはできず、量産には至りませんでした。

結論

XP-46は、新しい技術の導入と戦闘機としての高性能を追求して開発されたものの、競争する他の機体に対して十分な優位性を確保することができませんでした。最終的にXP-46は航空史の中で試作機の一つとして位置付けられ、その存在は短命であったものの、戦闘機開発の貴重な経験として後の機体設計に影響を与えました。

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