XP-50 (航空機)

XP-50 (Grumman XP-50)

XP-50は、アメリカ陸軍航空隊の要求に応じてグラマン社が開発した双発単座の戦闘機です。この機体は、双発の単座艦上戦闘機であるXF5Fの陸上機型として位置付けられていました。もともとは1938年から開発が進められたXF5Fの能力に着目した陸軍が、1939年11月にその陸軍機型を発注しました。しかし、試作は1941年5月まで遅れ、結果的には1機しか製造されませんでした。

機体の特長

XP-50のデザインは、XF5Fと似ていますが、いくつかの重要な変更が加えられていました。まず、降着装置が前輪式に改められ、機首は長く伸びました。この改良により、機体全体が流線型に整えられ、空気抵抗が減少し、性能向上が期待されていました。このモデルは、迎撃戦闘機としての能力を生かすため、ターボ過給機を搭載したライトR-1820エンジンを2基装備しており、高い上昇力を持つことが特長です。また、コックピットや燃料タンクには防弾装甲も施され、安全性に配慮されていました。

試作機では、陸上機として不要な装備が取り除かれており、主翼の折り畳み機構や着艦フックが省かれたことが挙げられます。さらに、当時の状況では時代遅れとなっていた空対空の小型爆弾用の爆弾倉も存在していませんでした。

試作機の運命

初飛行は1941年5月14日に行われましたが、その飛行中にターボ過給機の爆発が発生し、機体は墜落するという痛ましい結果に終わりました。さらに、XP-50はその当時に並行して開発されていたロッキードXP-49よりも優先順位が低く、その結果、開発は早々に中止されました。

このXP-50は、グラマン社が開発したアメリカ陸軍航空隊の唯一の機体であり、計画中断となったXP-65を除外すれば、第二次世界大戦中における貴重な試作機と位置付けられています。

スペック

• - 全長: 10.03 m
• - 全高: 3.47 m
• - 全幅: 12.8 m
• - 翼面積: 28.19 m2
• - 自重: 3,712 kg
• - 総重量: 5,439 kg
• - エンジン: ライトR-1820-67/69 空冷星型9気筒 1,200hp×2
• - 最大速度: 687 km/h
• - 航続距離: 890 km
• - 実用上昇限度: 12,192 m
• - 武装: 20mm機関砲×2、12.7mm機関銃×2、爆弾 45kg×2

登場作品

この機体は、ゲーム『War Thunder』において、アメリカの課金機体として登場しています。

XP-50の試作は短命に終わりましたが、その技術やデザインは後の航空機開発に影響を与え続けています。

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