XP-60 (航空機)

XP-60 / YP-60

XP-60およびYP-60は、アメリカのカーチス・ライト社が設計した試作戦闘機であり、第二次世界大戦中に開発されました。この機体は、当初XP-53という名称で進められていましたが、後にXP-60に改名されました。複数のバリエーションも製造されましたが、最終的には採用には至りませんでした。

概要と開発の背景

カーチス・ライト社は、P-40戦闘機の後継機としてXP-60を開発しました。様々なエンジンを試す中で、最終的に6つの型に分けられた試作機が登場しました。デザインに関しては、P-40とは全く異なる外観の機体も存在し、特筆すべき性能を持たなかったため、開発は中止されました。

開発の初期段階では、P-40を元にした層流翼とコンチネンタル製のIV-1430エンジンを搭載する案が立てられ、1940年の10月1日にXP-53として2機の試作機が発注されました。その後、陸軍の指示によりエンジンがロールス・ロイス製マーリンに変更され、XP-60という名称が付けられました。1941年9月18日に初飛行を果たし、611km/hの速度を記録しましたが、課題が多かったため量産は行われませんでした。

開発の経緯と性能の課題

XP-60の開発は順調とは言えず、層流翼の表面仕上げやエンジン性能不良、降着装置に関する問題が続出しました。これにより1941年12月には開発が中止され、契約内容も変更されました。この結果、XP-60AやXP-60Bなどの新たな型が開発されることになりました。

XP-60Aは1942年11月に初飛行し、676km/hの速度を記録しましたが、P-60に対する期待は徐々に薄れていきました。その後、エンジンの変更やプロペラの改造などが行われましたが、最終的に陸軍の評価試験では性能が良好とは言えない結果となり、製造契約が減少することになりました。

各型の詳細

XP-60系列には、XP-60A、XP-60B、XP-60C、XP-60D、XP-60E、YP-60Eなどの型が存在しました。XP-60Aではアリソン製のV-1710エンジンを搭載、XP-60Bではターボチャージャーを改造し、XP-60Cでは二重反転プロペラの搭載が予定されていました。しかし、各型ともに性能面での課題が多く、最終的に採用には至りませんでした。特にXP-60Cは、無数の問題を抱え、陸軍の正式な採用を拒否される結果となりました。

YP-60Eは1944年に初飛行し、改良されたバブルキャノピーを採用しましたが、それ以降の運用には至らず、終戦後に民間に払い下げられました。しかし、この機体も墜落事故で失われてしまいました。

まとめ

XP-60とYP-60は、カーチス・ライト社の努力の結果として多くの型が生まれましたが、最終的にいずれも不採用となりました。この試作機は、当時の航空技術の発展の中で重要な一歩であったものの、競合機に対する性能不足から市販化には至らなかったことが惜しまれます。

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