YAOKI

YAOKI: 月面探査ロボット

YAOKI（ヤオキ）は、ダイモンという日本の航空宇宙企業が手がけた月面探査車です。その名称は「七転び八起き」に由来し、非常に粘り強い姿勢を象徴しています。YAOKIは、アメリカの民間企業インテュイティブ・マシーンズが2024年に打ち上げ予定のミッションIM-2によって月の南極付近へと送られることが決まっています。YAOKIは、同社の月着陸機であるNova-Cに搭載され、無事に着陸すると月面に降り立ち探査活動を開始します。

開発の経緯

YAOKIの開発は、ロボットクリエーター中島紳一郎の手によって行われ、2019年4月には開発が完了しました。その後、同年の秋には伊豆大島の火山周辺で、月面の環境を模した砂地でYAOKIが走行する様子が撮影されました。この成果を踏まえて、アメリカの民間企業アストロボティック・テクノロジーと、YAOKIを月面に輸送する契約が結ばれたのが2019年9月のことでした。

2023年1月にはダイモンがインテュイティブ・マシーンズ社との契約を公表し、YAOKIは同社が打ち上げるIM-2ミッションに搭載されることとなりました。さらに、当初予定されていたアストロボティックのミッションから、YAOKIを別の後続ミッションに変更することも発表されました。アストロボティック社は、2022年に次のミッションとしてGriffin Mission Oneを計画していたため、この変更はスムーズに進んでいます。

2023年には、さらに軽量化や安全性の向上を目指し、パンチ工業との協力関係を築くことが報じられました。このように、YAOKIは発展し続けているのです。

YAOKIの特徴

YAOKIの最大の特徴は、2輪のローバーとして設計されている点です。転倒しても走行できるように工夫されており、非常に高い機動力を誇ります。搭載されたバッテリーにより、月面で約6時間の稼働が可能で、様々な探査活動を行うことができます。その重量は500g未満と、月面探査車としては非常に軽量であり、移動にも優れた性能を持っています。

YAOKIは特別な運搬ポッドという容器の中に格納され、これを月着陸機に取り付ける形で輸送されます。この運搬ポッドは三菱ケミカル製のCFRP（炭素繊維強化プラスチック）が使用されており、軽量かつ強度に優れた設計となっています。着陸後、運搬ポッドが開放され、YAOKIは月面に向かって落下し、探査を開始することになります。

また、YAOKIと地球との通信は、月の着陸機を介して行う仕組みが採用されており、探査データや状況報告を地球に送信することが可能です。このようにして、YAOKIは月面探査に貢献する重要な役割を担うことになるのです。

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