YJ-8 (ミサイル)

YJ-8（鷹撃-8）の概要

YJ-8は中国で開発された艦対艦ミサイルで、輸出名はC-801と呼ばれています。アメリカ国防総省によってはCSS-N-4という識別番号が付与され、西側諸国ではNATOコードネームの「サーディン」として知られています。このミサイルは、中国人民解放軍海軍の主力として位置づけられています。

歴史的背景

YJ-8の開発は、1950年代から運用されていたP-15 テルミート（SS-N-2 スティクス）の流れを汲むもので、当初の対艦ミサイルはその限界から低空飛行しかできず、飛翔高度は数十メートルに留まっていました。このミサイルの弾体重量は2トン以上となっており、大型の弾頭を搭載するための設計がなされていましたが、これは東側諸国の軍事ドクトリンに基づいたものです。

この状況を打破すべく、中国は新たな艦対艦ミサイルを開発することにしました。この新しい設計は、フランスのエグゾセ MM38に類似しており、1970年に北京の中国海鷹電気技術学院（CHETA）で開発が始まりました。しかし、文化大革命の影響を受け、開発は遅延し、完成には1986年までかかりました。

特徴と能力

YJ-8は従来のミサイルに比べて機動性に富んでおり、より高い飛翔高度を達成することが可能です。このため、艦船からの発射においても効果的な打撃が期待されます。YJ-8は、空対艦ミサイル型のYJ-81や潜水艦発射型のYJ-82など、さまざまな派生型を持っています。

YJ-81はYJ-8の射程を延長したバージョンであり、射程距離は約80kmです。一方で、YJ-82は発展型として、ターボジェットエンジンを搭載しています。YJ-8の艦載型改良版として、折りたたみ式の翼を持つYJ-8Aも開発され、配備されています。

現代における役割

YJ-8は、現在中国人民解放軍の艦対艦ミサイルとして広く運用されています。海洋戦略の中でこのミサイルは重要な役割を果たしており、海上での優位性を保つための兵器として位置づけられています。特に、台湾海峡や南シナ海における軍事的緊張の中で、その存在はますます重要視されています。

今後の発展として、YJシリーズはさらに進化していくことが予想され、YJ-83などの新しい世代のミサイルも利用可能です。このように、YJ-8は中国の海軍力の強化とその戦略の重要な要素となるでしょう。

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