YKK (政治同盟)

YKKとは

YKKとは、自由民主党に属し、衆議院議員を務めた山崎拓、加藤紘一、小泉純一郎の三人による連携を指します。この三人は1972年に同時に当選し、一時期は国会で隣の議席に座っていたことからも友情が深まったとされています。彼らの名前の頭文字を取ってYKKと呼ばれるようになり、ジッパーを製造する大手企業YKKに由来するというユニークな背景を持っています。この名称は、加藤が提案したとされています。

YKKの歴史

YKKの政治的なつながりは、1991年に自民党内の竹下派に対抗する形で作られました。加藤が山崎と小泉に呼びかけ、同期として集まったのです。彼らは若手政治家として名を馳せており、同時に宿命のライバルでもありました。例えば、山崎の師は中曽根康弘、加藤の師は大平正芳、小泉の師は福田赳夫というように、それぞれ異なる派閥に根ざしていました。

1994年には、YKKが中心となって政策集団「グループ・新世紀」を結成し、同年に保・保連合を模索する「首相公選制と首相の資質を考える会」を立ち上げました。このグループは、政界での影響力を増していきました。特に1990年代には、YKKの影響が自民党の内部政治において重要な役割を果たしました。財政再建を唱える一貫した姿勢が特徴的でした。

さらに、2007年には新YKKが報道され、山崎と加藤が古賀誠を加えた新たな形での協力が見られました。また、同年には亀井静香元建設相や菅直人元厚相とともに会談を行い、彼らが「3KY」と称されることもありました。2013年には、YKKのメンバー全員が政界を引退し、特に山崎と加藤はその後に亡くなることで、完全な終焉を迎えます。

YKKと経世会

YKKは経世会との関係が時代によっていくつかの変化を見せたものの、特に経世会に対する反発が強まるたびに彼らの動向が注目を浴びることがありました。特に彼らは、主流派に身を置く前から首相公選制の必要性を訴えていたことで、その姿勢が一貫していました。

加藤の乱とその後

YKK内の関係は主に加藤と山崎の繋がりを軸に形成されていました。加藤の乱の前後、彼らの関係は複雑な様相を呈しました。1998年には加藤が派閥会長となり、翌1999年には山崎が独自の派閥を作るなど、影響力を高めました。一般には、加藤が総理候補として有力視されていました。

一方、小泉は派閥の都合や戦略から総理総裁候補として見られることが少なく、幾度かの総裁選に出馬するも結果は芳しくありませんでした。加藤の乱では、小泉が加藤の不信任案賛成の意思を積極的に流し、YKK内の結束にヒビを入れる形となります。この出来事により、加藤と小泉の関係は疎遠になり、以降は山崎と小泉による密接な関係が築かれました。

小泉と山崎の間柄

小泉が総理に就任後、山崎は彼への支持を表し、政治的盟友として重要な役割を果たしました。しかし、その後の内閣改造で山崎が冷遇され、2人の関係は徐々に冷え込んでいきました。特に2005年における郵政改革を巡る対立が決定的な影響を与え、最終的な亀裂が生じることとなります。

政界を引退した後も両者は交流を続けましたが、YKKとしての活動は事実上の解散を迎えました。加藤は特に、小泉政権が発足した段階で、YKKはもう終わりだと公言したほどです。彼らの盟友関係には、友情だけでなく時折の政治的打算も影を落としましたが、長い時間の中でお互いの存在は確認し合う場面が見られました。

こうしたYKKの歴史は、日本の政治の流れを知る上で貴重な資料とも言えます。

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