YOUNG MAN (Y.M.C.A.)

YOUNG MAN (Y.M.C.A.) の誕生と影響

1979年2月21日、西城秀樹の28枚目のシングル「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」がRCAから発売されました。この曲は、アメリカのディスコ音楽に影響を受け、特にヴィレッジ・ピープルの「Y.M.C.A.」を基にして制作されました。

制作の背景

曲を手掛けたのは、西城秀樹のマネージャーであった天下井隆二氏と、大谷和夫氏です。天下井氏は原曲を青春の賛歌として日本語に訳したり、大谷氏が青春歌謡ポップス風にアレンジを行った結果、我々が知る「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」という楽曲が誕生しました。西城は1978年にアメリカに渡った際に原曲を耳にし、カバーを提案しますが、当初は周囲から、この楽曲の同性愛的なイメージについて反発を受けていました。

1979年1月4日、大阪・厚生年金会館で行われた新春コンサートで披露された際には、多くのリクエストが寄せられ、急遽新曲としてレコーディングする運びとなりました。レコーディングではファンクラブの会員が参加し、曲中の手拍子を録音したり、西城自身がミカン箱の上に立って工場の従業員に向けて歌い上げるなど、ユニークな経緯がありました。

パフォーマンスのスタイル

「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」の魅力は、その観客参加型のパフォーマンスにあります。4文字の「Y」「M」「C」「A」を全身で表現し、観客とともに躍動する様子は、一体感をもたらしました。この振付は西城と長い付き合いのある振付師・一の宮はじめさんにより作り上げられました。この participatory なスタイルは、瞬く間に流行し、日本中のライブイベントで取り入れられるようになりました。

この曲は、第30回NHK紅白歌合戦でのパフォーマンスをはじめ、1980年の春の選抜高校野球大会の行進曲にも選ばれるなど幅広いシーンで活用されました。また、川崎フロンターレのハーフタイムショーでも長年にわたり演奏され、地域密着型のイベントとなりました。

商業的成功

このシングルは発売から2週間でオリコンランキング第3位に入り、次週には1位を獲得しました。結果的に5週にわたって1位をキープし、180.8万枚という記録的な売上を達成します。この成功は、新御三家の中でも最大のセールスとなり、1979年度の年間シングルチャートでも第7位に輝く結果となりました。

CMや各種イベントでも盛んに使われ、特にサビの部分は様々な替え歌としてコマーシャルに起用されたり、イベントでも定番の曲として愛されています。

影響の広がりと後世への影響

次世代のアーティストたちもこの楽曲にインスパイアを受け、多くのカバーやリメイクが行われました。例えば、桑田佳祐やE-girlsなど、さまざまなアーティストがこの曲を自分たちのスタイルで再び表現しています。

このように「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」は、西城秀樹の名声を確立しただけでなく、日本の音楽シーンにおける一つの象徴的な存在となりました。観客参加型のパフォーマンスのスタイルや、大ヒット曲としての成功は、今なお多くの人々に影響を与え続けています。その魅力は、時代を超えて色褪せることなく、今後も多くの人に愛され続けることでしょう。

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