YURI (歌手)

兵庫県神戸市生まれ、8月9日生まれのYURIは、シンガーおよびソングライターとして活動する音楽家である。特に、日本の音楽シーンにおける重鎮の一人である久保田利伸から「アジアで最高の女性シンガー」と高く評価されていることでも知られ、その卓越した歌唱力と表現力は多くの人々を魅了している。

音楽への道を歩み始めたのは、地元神戸のジャズカルテットとの活動を通じてであった。高校卒業後、YURIは単身渡米し、ボストンにある名門バークリー音楽大学に進学。ここでは音楽理論やパフォーマンスを深く学びながら、学生時代にはゴスペルチームの一員としてニューヨークの伝説的なジャズクラブ、ブルーノートのステージに立つという貴重な経験を積んだ。大学卒業後もアメリカに留まり、現地の音楽シーンで精力的に活動。ファンクの女王と称されるチャカ・カーンや、モータウンの至宝ダイアナ・ロス、ヒップホップ界のアイコンであるLL・クール・Jといった、世界的に著名なアーティストたちのライブツアーやレコーディングに次々と参加し、その実力をさらに磨き上げた。

アメリカでの活動中に、同じく海を越えて音楽を追求していた久保田利伸と出会ったことが、YURIのキャリアにおいて重要な転機となる。この出会いを機に、日本での音楽活動の機会が増加。そして2006年、ついに日本への本格的な帰国を決意する。帰国後は、日本の音楽シーンの第一線で活躍する数多くのアーティストたちから信頼を得て、そのライブツアーやレコーディングに参加するようになる。参加アーティストは多岐にわたり、ソウルフルな歌声で知られるトータス松本、国民的人気ユニットDREAMS COME TRUE、類まれなボーカリストJUJU、そしてパワフルな歌唱力を持つAIなど、ジャンルを超えたアーティストたちの音楽制作やステージを、確かな技術とセンスで支えた。特にAIや久保田利伸のツアーには頻繁に帯同している。

サポート活動で培った経験と自身のルーツであるソウル、R&Bを融合させた独自の音楽性も追求している。2012年には、自身初のカバーアルバムとなる『Love Respect Harmony』をリリース。同年には、WOWOWの連続ドラマW「マグマ」の主題歌として、配信シングル『キボウ』を発表した。これらのリリースに合わせて、ソロ名義でのライブ活動も展開。2012年にはアルバムリリース記念ライブを、2016年にはYURI MASA名義でのライブを開催するなど、自身の歌声を直接リスナーに届ける機会も大切にしている。

音楽活動にとどまらず、その個性的な魅力は様々な分野でも発揮されている。タレントのローラが出演したハナユメ（すぐ婚navi）のCMではローラの親友役として、またクリアアサヒのCMにも出演した。さらに、2014年公開の映画『魔女の宅急便』では、タカミ・カラ役として女優業にも挑戦している。2017年には、音楽アプリ「Session Tracks」の制作に関わり、楽曲のアレンジを手がけるなど、音楽プロデューサーやアレンジャーとしての才能も発揮している。シンガー、ソングライター、アレンジャー、そしてパフォーマーとして、国内外で多角的に活躍するYURIは、その豊かな音楽的経験と唯一無二の歌声で、日本の音楽シーンにおいて確固たる存在感を放っている。

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