Yahoo! Search

Yahoo! Searchの歴史と技術

Yahoo! Searchは、かつてYahooが提供していたウェブ検索エンジンです。その歴史は、ディレクトリ型検索エンジンから始まり、独自の技術開発、そしてマイクロソフトとの提携へと変遷しました。

ディレクトリ型検索エンジンの時代

当初、Yahoo! Searchはウェブサイトをデータベースに登録するディレクトリ型検索エンジンでした。この時代、検索結果のバックフィルとして、AltaVistaやInktomi、Googleの全文検索エンジンを採用していました。

独自の検索エンジン「YST」の開発

2002年12月にInktomiを買収、2003年にはOverture社を買収し、これらの技術を統合して2004年2月に独自の検索エンジン「Yahoo! Search Technology (YST)」をリリースしました。YSTは、Yahoo! Research Labの技術を活用し、機械学習ランキングやHadoop、Search Monkeyなどの技術を導入し、競争力を高めました。

機械学習ランキング

当初はヒューリスティックな手法でランキングを行っていましたが、AltaVista出身の技術者を中心に機械学習によるランキング手法が開発され、置き換えられました。

Apache Hadoopの採用

2006年にはApache Hadoopの採用を決定し、2008年には主要コンポーネントであるWebmapを構築しました。これにより、大規模なデータ処理が可能になりました。

オープンプラットフォーム戦略

2008年にはオープンプラットフォーム戦略を発表し、セマンティック・ウェブ技術を採用したYahoo! SearchMonkeyを公開しました。また、Yahoo! Search BOSSにより、開発者がYSTを使った独自検索エンジンを構築できるようにしました。さらに、ウェブマスター向けツールとしてサイトエクスプローラーも提供されました。

マイクロソフトとの提携とその後

2009年、マイクロソフトとの提携により、Yahoo!は独自の検索エンジンの開発から撤退し、BingがYahoo! Searchの検索結果を提供するようになりました。しかし、その後、Yahoo!は検索市場への復帰を模索し、検索エンジンの開発を再開しました。

検索エンジンの再開発

2012年にYahoo!のCEOに就任したマリッサ・メイヤーは、検索市場への復帰を目指し、検索エンジンの開発を再開しました。2009年から2013年までの空白期間によって生じたランキング性能の差を埋める取り組みも行われました。

検索エンジン「Vespa」

ノルウェーのファストサーチ & トランスファが開発したAlltheWebは、Overture、そしてYahoo!へと買収されました。AlltheWebチームが中心となって開発した検索エンジン「Vespa」は、現在、Yahoo.com、Yahoo News、Yahoo Sports、Yahoo Finance、Yahoo Geminiなどの大規模なサービスで利用されています。2017年には、Verizon Mediaによってオープンソースとして公開されました。

Yahoo! JAPANでの利用

Vespaは、Yahoo! JAPANでもYahoo!リアルタイム検索やYahoo!知恵袋などで検索エンジンとして利用されています。

まとめ

Yahoo! Searchは、ディレクトリ型から独自の技術開発、そしてマイクロソフトとの提携、さらにはオープンソースのVespaの開発と、激動のウェブ検索エンジンの歴史を体現しています。その技術的な遺産は、今日の検索エンジン開発にも大きな影響を与えています。

脚注

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Vespa

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