Yak-23 (航空機)

Yak-23多用途戦闘機

Yak-23（ヤク23）は、ソ連のヤコヴレフ設計局によって開発された多用途戦闘機で、1947年に初飛行を果たしました。この機体は当初のYak-15シリーズを基にしているものの、機体構造はほぼ一新されており、外見はYak-17と似ているものの、実際には新たに設計された機体です。基本となるレシプロ戦闘機Yak-3からの転換が特徴としつつも、Yak-23は時代を反映した設計が多く取り入れられました。

機体には、RSI-6K無線機やRPKO-10M無線方位計、SCh-3敵味方識別装置など、当時としては先進的な機器が搭載されています。武装についても、当初は23 mm機関砲NS-23が使われていましたが、後に信頼性の高い新型NR-23に改良されました。Yak-23はその性能面での優位性から、設計局の代表機として空軍への採用に向けた試験が実施されました。

しかし、Yak-23は革新的な後退翼を持つMiG-15に開発が遅れをとったため、優れた基本性能を持ちながらも「保険的な机」として扱われる運命にありました。最終的にMiG-15が非常に成功したため、Yak-23の生産は限られ、Yak-23シリーズの複座教育訓練機型であるYak-23UTIも少数生産にとどまりました。

それでもYak-23は他国にも輸出され、チェコスロバキア、ブルガリア、ポーランド、ハンガリー、アルバニア、中華人民共和国などで運用されました。特にチェコスロバキアではS-101としてライセンス生産され、同国の初自国製ジェット機となりました。また、ユーゴスラビアでも1機が捕獲され、アメリカへ送られて詳細な試験が行われました。これは当時のユーゴスラビアが独自路線を進み、他国からの援助を受けていたことの一環とも言えます。

Yak-23はその実用性や設計において決して大きな成功を収めたとは言えませんが、保存されるべき歴史的な記録を持っています。1957年にはポーランドのYak-23（機体番号SP-GLK）が、高度3000 mと6000 mに達するまでの時間をそれぞれ119秒、197秒で記録しました。このことはYak-23の優れた上昇力を示すもので、他の機体では見られない特異性を持つことを証明しています。

スペック

• - 初飛行: 1947年
• - 翼幅: 8.73 m
• - 全長: 8.12 m
• - 全高: 3.31 m
• - 翼面積: 13.50 m²
• - 空虚重量: 1,980 kg
• - 離陸重量: 3,384 kg
• - 発動機: クリーモフ設計局製 RD-500 ターボジェットエンジン ×1
• - 出力: 1,590 kg/s
• - 最高速度: 868 km/h
• - 最高速度(地表高度): 923 km/h
• - 最大上昇力: 13,450 m/min
• - 実用飛行上限高度: 14,800 m
• - 飛行継続時間: 2.3 時間
• - 実用航続距離: 755 km
• - 乗員: 1名
• - 武装: 23 mm機関砲NR-23 ×2 (弾数150発)

このように、Yak-23は稀少な存在感を持ちながら、国内外での運用ポテンシャルを秘めた興味深い戦闘機の一つであったと言えるでしょう。

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