ZEレコード

ZEレコードの概要

ZEレコード（ズィーイー・レコード）は、アメリカのニューヨーク州で1978年に設立されたレコードレーベルです。創立者はマイケル・ジルカとマイケル・エステバンであり、レーベルはさまざまな音楽ジャンル、特にパンク、ディスコ、ニュー・ウェイヴに焦点を当てていました。1986年には活動を休止しましたが、エステバンによって2003年に再び再開され、現在も新たなアーティストの作品をリリースするなど、音楽シーンに影響を与えています。

設立と初期の歴史

創立者の一人、マイケル・ジルカはイラク系の一家に生を受け、裕福な家庭でした。彼はイギリスで生まれ、オックスフォード大学を卒業した後、ニューヨークに引っ越し、音楽雑誌『Village Voice』で映画評論家として活動していました。もう一人の創立者であるマイケル・エステバンは、パリで美術を学んだ後、ニューヨークの美術学校で教育を受けました。その後彼はロック・ミュージック専門の小売店を設立し、ここが多くのニュー・ウェイヴ・バンドのリハーサルスペースとなりました。

1977年、エステバンはフランスのバンドと契約し、著名な音楽プロデューサーであるジョン・ケイルに協力を仰ぎました。両者はその後SPYレコードというレーベルから離れ、独自のレーベル設立に向けての準備を始めました。そして、二人の苗字の頭文字から取って名付けられた「ZEレコード」が発足しました。

レーベルの人気と影響

ZEレコードは短期間で多くのアーティストを抱える人気レーベルとなり、ジェームス・チャンスやキッド・クレオール&ザ・ココナッツ、リジー・メルシエ・デクルーなど、さまざまな著名アーティストが参加しました。これらの音源は、パラダイス・ガレージというディスコで初めて演奏され、多くの支持を集めました。特に1981年から1982年にかけては、SEレコードは音楽界に強い影響力を持っていました。

しかし、レーベル内の個人的な問題によって1982年にはエステバンがニューヨークを離れることになりました。その後、ジルカも音楽業界から距離をおくようになり、1984年にはレーベル活動を休止しました。休止後、ジルカは父親の石油会社に経営参加し、エステバンは他のアーティストと交流を続けていました。

レーベルの再開とデジタル化

2003年、エステバンはフランスでZEレコードを再開し、さまざまな新たなアーティストを登場させたり、過去の作品の復刻や再発を行いました。2010年にはデジタル配信を通じて過去の音源を販売し、音楽の楽しみ方に新たな局面をもたらしました。

評価と影響

ZEレコードは、その独自のシュルレアリスム的美学が評価され、1980年にはBBCのDJであるジョン・ピールが『Melody Maker』誌で「世界一のインディペンデント系レコード・レーベル」と称賛しました。また、英『ガーディアン』紙は、設立30周年の際に「おとぎ話のようなものだった」との特集を掲載しています。このように、ZEレコードは確固たる地位を築き、音楽シーンにおいても重要な役割を果たしてきました。

アーティストとディスコグラフィ

ZEレコードからは多くのアーティストがデビューし、今なお影響を与えています。日本でもリイシュー版がリリースされており、現在も広く耳にされています。レーベルの未来にはさらなる可能性が広がっています。

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