ZOC

ZOC（ゾック）とは

ZOCは「Zone of Control」の略で、特にウォーシミュレーションゲームやシミュレーション[[ロールプレイングゲーム]]において重要な概念です。日本語では「支配領域」とも訳されますが、通常はZOCという英語表記が用いられます。このコンセプトは、個々のユニットが自身の存在によって、周囲に対して及ぼす影響範囲やその影響の内容を示します。

ZOCの基本概念

ゲームの前提条件として、ユニットは何らかの戦闘能力を持つことが多く、能力が無いとしても何らかの行動を取ることが期待されます。敵ユニットが近くにいる場合、行動に伴う危険が増すため、ユニットの影響範囲を設定することは重要です。これにより、敵ユニットはその範囲内でデメリットを受けるとして、行動を制約されることとなります。

多くのゲームにおいては、「ユニットの移動中に敵ユニットに隣接すると、その移動が強制的に終了する」といったシンプルなルールがZOCの表現手段として普及しています。しかし、ZOC自体はこのルールに限らず、もっと広範な意味を持ちます。

具体的には、補給線の通過などが相手のZOCを通って行うことができない場合が多々あります。ただし、味方ユニットが存在する場合は通過が許されることもあります。さらに、ZOC内に後退する場合は追撃され、さらに損害が発生するなどのルールが存在します。退却先の味方ユニットが混乱するゲームもあり、これらはゲームごとに異なるメカニクスを持っています。

ボードウォーゲームにおけるZOC

ボードウォーゲームでは、ユニットが配置されたタイルに隣接するタイルがZOCとして認識されます。たとえば、六角形タイルのマップでは、占有された六角形の周囲6つの六角形がZOCに含まれます。このように、ZOCは地図の特定の部分におけるユニットの影響力を示します。対象となる武器の射程や、ユニットの配置によってZOCの範囲は変化します。

ZOCが持つ典型的な効果は多岐にわたり、敵ユニットの移動制約や、敵の攻撃時に発生する影響、さらには敵の補給線を断つといったものです。敵ユニットがZOCに入ることで移動速度が減少し、隣接することでより制約が生まれます。

ロールプレイングゲームにおける文脈

『ダンジョンズ&ドラゴンズ』などのロールプレイングゲームでも、ZOCの概念は活用されます。『D&D』第4版においては、フロアタイルを使用したプレイスタイルが前提で、ユニットの移動や攻撃にはZOCが影響を与えることがあります。特に、隣接する敵が移動しようとした場合、特別な手続きを経なければ隙を見せて攻撃を受けることがあります。

また、一部のゲームでは「エンゲージ」という概念もあり、敵ユニットとの接触が発生すると特殊なルールが適用されます。この場合、「ZOC」の名が使用され、敵の動きに影響を与えます。

ZOCの具体的な例

コンピュータゲームにおいても、ZOCのメカニクスは欠かせません。たとえば、「大戦略」シリーズでは、敵ユニットを固定されたZOCで囲むことで、戦略的な動きに制限を加えることが可能です。また、「パワードール」シリーズでは、待機中のユニットが移動側ユニットの行動を阻止する「臨機射撃」のメカニクスを通じてZOCを実装しています。

さらに「サモンナイト」シリーズでは、特定の特殊能力を持つユニットがZOCを展開し、敵ユニットの行動を制限する要素が含まれます。これらのゲームにおけるZOCの扱いはそれぞれ異なりますが、共通して敵ユニットの行動を制約し、戦術的選択を促す役割を果たします。

ZOCは、ウォーゲームやRPGにおいてゲームプレイをより深く、戦略的にするための重要な概念であり、ゲームデザインやプレイヤーの意思決定において大きな影響を持っています。

もう一度検索