ZoNE-iT

KOTOKO 22nd Single「ZoNE-iT」

日本の女性歌手、KOTOKOの通算22枚目のシングルとして、「ZoNE-iT」（ゾーンイット）は2014年11月5日にワーナー・ブラザース ホームエンターテイメントから発売されました。前作「TOUGH INTENTION」のリリースからおよそ4ヶ月という短い期間での発表となりました。

本作は、初回限定盤と通常盤の2種類の形態で販売され、それぞれ異なるジャケットデザインが採用されています。初回限定盤には特典としてDVDが付属し、表題曲「ZoNE-iT」のミュージックビデオ、その制作過程を追ったメイキング映像、そしてテレビCMスポットが収録されています。

タイアップと楽曲

表題曲の「ZoNE-iT」は、前作に引き続き、テレビアニメ『白銀の意思 アルジェヴォルン』の第2クールのオープニングテーマに起用されました。作曲・編曲は齋藤真也が手がけています。

カップリング曲の「call」もまた、同アニメの挿入歌として使用されています。作曲・編曲はKon-Kが担当しました。

制作背景

両楽曲の作詞はKOTOKO自身が担当しており、特に表題曲「ZoNE-iT」の歌詞は、『白銀の意思 アルジェヴォルン』のストーリー、特に第2クールでの展開に深く触発されて書き下ろされました。

KOTOKOは、前作「TOUGH INTENTION」が、ロックなサウンドに乗せて裏表なくまっすぐに突き進むような人間性をストレートに表現した楽曲だったと語っています。それに対し、第2クールでは物語が変化し、登場人物たちの「生きざま」に焦点が当たるようになったことを指摘しています。主人公のトキムネが自身の過去を知り、また後輩の登場によって「許すこと」や「我慢」を学んでいく一方で、彼が操るロボット「アルジェヴォルン」は意思の力で動く存在であるため、こうした変化の中で自身の信じるものを見失わないよう、精神をしっかりとコントロールする必要性を感じたといいます。さらに、物語の後半で他の登場人物たちの視点が増え、それぞれの正義や想いが交錯する複雑な人間模様が描かれるようになったことにも触れ、そうした作品世界の奥行きを楽曲で表現しようと試みたことを明かしています。

一方、カップリング曲の「call」について、制作当時は特定のタイアップが決定していたわけではなかったそうですが、『白銀の意思 アルジェヴォルン』のイメージソングとして制作したいという思いがあったと述べています。その思いから、力強く壮大なイメージを持つバラードを選曲したとのこと。歌詞においても、戦場で過酷な状況を生き抜くことを強いられる若者の葛藤が描かれており、表題曲とカップリング曲、この2曲の流れ全体を含めて一つの作品としてまとめられていると感じていると語っています。結果として、「call」は同アニメの第24話で実際に挿入歌として使用されることとなりました。

「ZoNE-iT」のミュージックビデオは、台湾の台北市北東部に位置する工場の廃墟を舞台に撮影が行われました。

本作は、KOTOKOがワーナー・ブラザース ホームエンターテイメントからリリースした、最後のソロシングルとなりました。

批評とチャート成績

音楽出版社の雑誌『CDジャーナル』は、本作について「疾走感あふれる熱いロック・ナンバー」と評しています。力強く前進するようなビートと、それに引けを取らないKOTOKOのパワフルなヴォーカルが見事に融合し、生きるための勇気が湧き出るような楽曲であると批評しています。

オリコンの週間シングルチャートでは、2014年11月17日付のランキングで初登場48位を記録しました。初週売上は1,574枚、累計売上は1,877枚となっています。

収録曲リスト

CD

全作詞：KOTOKO

ZoNE-iT [04:31]
作曲・編曲：齋藤真也
テレビアニメ『白銀の意思 アルジェヴォルン』2期オープニングテーマ
call [04:30]
作曲・編曲：Kon-K
テレビアニメ『白銀の意思 アルジェヴォルン』挿入歌
ZoNE-iT -instrumental- [04:30]
call -instrumental- [04:28]

DVD（初回限定盤付属）

「ZoNE-iT」 MUSIC VIDEO
MV Making Movie
* TV-SPOT

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