ABZÛ

ABZÛ（アブズ）

『ABZÛ』は、アメリカのインディーゲームスタジオGiant Squidが開発し、505 Gamesより発売された3Dアクションアドベンチャーゲームです。このゲームではプレイヤーはダイバーとして広大な深海を探索し、多様な海洋生物や海底遺跡に出会います。言葉を介さず、視覚や音楽を通じて物語が展開される独特のスタイルが魅力です。

ゲームプレイ

プレイヤーはダイバーとなり、目を覚ました海面から水中の環境を探索します。ゲームの進行に伴い、動植物の描写が豊かで、古代の技術や水没した遺跡が次々と現れます。操作は直感的で、右トリガーで前進し、スティックで方向を変え、さらにボタンのタイミングを合わせることで加速が可能です。また、水面をジャンプしたり、イルカに乗ったりといったアクションも実現できます。

『ABZÛ』は7つの主要エリアに分かれており、それぞれのエリアを探索する中で、さまざまな障害を解決しながら進む仕組みになっています。時折、通路が閉ざされているため、周囲を探索し、仕掛けを見つけて解決策を見つける必要があります。また、環境には瞑想ができる彫像もあり、そこに寄り添うことで周囲の生物をじっくり観察することも可能です。特定の貝殻を収集する要素も用意されており、多様な探索体験が楽しめます。

あらすじ

物語は、女性のダイバーを主人公に、深海の美しい風景を舞台に展開します。ダイバーは海面で目を覚まし、その後周囲の海を探索し、古代の文明とその遺跡に出会います。ホオジロザメに導かれ、海底の井戸に着くと、自らの体内にある青色のエネルギーを使って井戸を活性化させ、生命が復活します。このエネルギーの背後には、古代文明の人々によって大変貴重視されたことが示唆されています。

彼らはかつて水瓶を用いてエネルギーを集めていましたが、発展が進むにつれて効率を求め、ピラミッド型の装置を使うようになりました。この変化が海洋の生態系に打撃を与え、文明の崩壊を引き起こしたとされています。ダイバーは最初のピラミッドにたどり着くと、そこに待ち受ける恐ろしい光景を目撃します。最終的にダイバーはピラミッドを破壊し、再び生命の息吹が海に宿ることになります。

開発

『ABZÛ』のコンセプトは、2012年のゲーム『風ノ旅ビト』の製作に遡ります。クリエイティブディレクターのMatt Navaは、カリフォルニアでのダイビング体験から触発を受け、この作品に取り組むことを決意しました。彼は海洋の美しさをゲーム内で普及させることを目指し、Giant Squid Studiosを設立し、『ABZÛ』の開発を開始しました。

このゲームはシュメール神話からインスパイアを受けており、ゲームタイトルは「知の海」という意味を持つとされています。中東の建築様式を参考にした環境デザインも施され、視覚的な美しさが追求されました。ゲームプレイにおいては、ノーモード、すなわち制限のない自由な探索が体験でき、プレイヤーは自分のペースで冒険を進められます。さらに、瞑想モードも導入され、豊かな海中生物を楽しむことができます。

音楽面でも、オースティン・ウィントリーがサウンドトラックを制作しており、感情豊かな楽曲がゲームの雰囲気を引き立てています。すべての楽曲がインタラクティブで動的に作られ、プレイヤーの体験に深くリンクしています。

発売と評価

『ABZÛ』は2014年のE3で初めて発表された後、2016年にPlayStation 4|PlayStation_4とSteamでデジタル版が発売されました。日本国内でもPS4版は2018年にリリースされ、以降も多くのプラットフォームで展開されました。

ゲームは賞賛を受け、多くの音楽に関する賞にもノミネートされるなど、評価の高いタイトルとなっています。深海を探索する美しいビジュアルと音楽、そして感動的な物語が、多くのプレイヤーに愛されている理由です。

もう一度検索