EXIST

RAISE A SUILEN シングル『EXIST』の詳細解説

2021年4月21日に発売されたRAISE A SUILEN（以下RAS）のシングル『EXIST』は、表題曲「EXIST」がTVアニメ『擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD』のオープニングテーマ、カップリング曲「Embrace of light」が同アニメのエンディングテーマとして使用された、タイアップ色の強い作品です。

作品背景

「EXIST」と「Embrace of light」は、いずれも和風テイストを取り入れた楽曲であり、その対比についてボーカルのRaychellは「光と影」と表現しています。キーボードの倉知玲鳳は、「EXIST」のデモ音源を初めて聴いた際、そのおどろおどろしさに驚き、RASの楽曲とは異なる印象を受けたそうです。倉知自身は和風の楽曲を好んでいましたが、デモ音源の仮歌がRaychellとは別人だったため、どのようにバンドサウンドに落とし込むのか想像がつかなかったと語っています。

Raychellも、作曲者の上松範康から話を聞いていたものの、デモ音源を聴いた際の倉知と同様の反応を示しました。メンバーの夏芽と紡木吏佐も同席していたそうですが、特に紡木は怖さのあまり途中で聴くのをやめたそうです。しかし、レコーディングでは生バンドの演奏とRASらしいデジタルサウンドが組み合わさったことでイメージが明確になり、Raychellは「もっと恨んでみましょう」「人を殺すような気持ちで」といったディレクションを受けながら、歌唱に臨んだそうです。

Raychellの歌を聴いた倉知は、バンドの新たな可能性を感じ、これまでのRASとは異なる系統でありながらも、バンドの軸は外れていないと確信しました。

音楽性

「EXIST」では、音楽面でも新たな挑戦が数多く見られます。キーボードの音色では、従来のRASの楽曲で多用されていたはっきりとした音ではなく、歪んだような音が用いられています。また、ピアノには2種類、シンセサイザーにも2種類、合計4種類の音色がキーボードに割り当てられており、これらの音色が楽曲全体を彩ります。音色の数は平均的ですが、楽曲全体を通してキーボードの音が前面に出ており、ピアノとシンセの音が素早く切り替わる場面もあります。インタビューアーは、これまでのRASの楽曲と比較して、「EXIST」は良い意味で隙間を感じさせるサウンドであると指摘しています。ボーカル面では、Raychellがこぶしを入れるというアイデアを提案し、バンドリプロジェクト内の他ユニットの楽曲を歌う時と似た喉の使い方を意識したそうです。

歌詞

「EXIST」の歌詞には、「お前じゃない」「何人たりとも邪魔はさせない 唯一の人生を」など、従来のRASの楽曲ではあまり使われないような強い言葉が用いられています。Raychellは、これらの歌詞について、アニメの主人公である雪村咲羽をはじめとする登場人物たちの心情や、作品で描かれている時代の命の重さが反映されていると分析しています。彼女は、歌詞を意識しながらアニメを見るとより深く作品を理解できるだろうと語っています。

収録曲

CD（通常版・生産限定盤共通）

1. EXIST
2. Embrace of light
3. OUTSIDER RODEO
4. EXIST -instrumental-
5. Embrace of light -instrumental-
6. OUTSIDER RODEO -instrumental-

Blu-ray（生産限定盤のみ）

* THE CREATION～We are RAISE A SUILEN～

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