Flask

Flaskは、PythonでWebアプリケーションを開発するための軽量フレームワークです。その特徴は、標準で提供する機能を必要最小限に絞り込んでいる点にあり、自身を「マイクロフレームワーク」と称しています。これは、Webアプリケーションに必要な機能はそれぞれ異なり、すべてのアプリケーションに共通して必要な機能のみをコアにすることで、より柔軟な開発を可能にするという設計思想に基づいています。

具体的には、Flask自体にはデータベース抽象化レイヤーやフォーム値の検証といった機能は含まれていません。しかし、拡張機能によってこれらの機能をあたかも標準機能のように追加できます。例えば、オブジェクトリレーショナルマッパ（ORM）やフォーム値検証、ファイルアップロード、ユーザー認証、各種認証技術など、多岐にわたる拡張機能がサードパーティによって提供されています。

Flaskは、開発者のArmin Ronacher氏がエイプリルフールのジョークとして開発したものが、後に本格的なフレームワークとして発展したというユニークな経緯を持っています。Python 3への対応はバージョン0.10で実現し、それ以降、Python開発者からの人気を集めています。GitHubでのスター数はPythonのWebフレームワークの中で2番目に多く、JetBrainsのPython開発者調査では最も人気のあるWebフレームワークに選ばれるなど、その人気は広く認められています。

Flaskには、以下のような特徴と機能があります。

• - 開発用サーバーとデバッガーを標準装備
• - テンプレートエンジンとしてJinja2を採用
• - RESTfulなリクエストディスパッチ
• - 充実したドキュメント
• - 統合されたユニットテストサポート
• - メッセージ認証コード付きのセキュアCookieサポートによるクライアントサイドセッション管理
• - WSGI 1.0の完全な準拠
• - Unicodeベースのサポート
• - Google App Engineとの互換性
• - 豊富な拡張機能による機能拡張

以下に、Flaskの基本的な使用例を示します。このコードは、ルートパス（/）にアクセスすると「Hello World|Hello_world!」と表示する簡単なWebアプリケーションです。

python
from flask import Flask

app = Flask(__name__)

@app.route('/')
def hello_world():
return 'Hello World|Hello_world!'

if __name__ == '__main__':
app.run()


Flaskは、Djangoのような大規模フレームワークとは異なり、よりシンプルで柔軟な開発を求める開発者にとって魅力的な選択肢となっています。

関連フレームワーク

• - Django: Pythonで最も人気のあるフルスタックWebフレームワーク
• - Pylons: かつて人気があったWebフレームワーク
• - Bottle: Flaskと同様に軽量なマイクロフレームワーク

Flaskは、そのシンプルさと拡張性により、幅広いWebアプリケーションの開発に利用されています。詳細については、公式ドキュメントやGitHubのプロジェクトページなどを参照してください。

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