Kotoba

kotoba：多様な視点から現代社会を読み解く季刊誌

集英社が2010年9月6日に創刊した季刊誌『kotoba』は、多様性をめぐる現代社会の複雑な問題を、多角的な視点から深く探求する言論誌です。3月、6月、9月、12月の年4回刊行され、毎回、社会の様々な事象をテーマにした特集を組んでいます。

多様な意見が交錯する知的探求

『kotoba』の最大の特徴は、単なる情報提供ではなく、多様な意見を提示することで、読者に考えさせる余地を残す点にあります。巻頭特集では、一つのテーマに対して、異なる立場や考えを持つ複数の識者が論を展開します。時に対立する意見も掲載することで、読者はそれぞれの主張の根拠を比較検討し、自分自身の考えを深めることができます。こうしたアプローチは、複雑な社会問題に対して、安易な結論に飛びつくことなく、多面的に理解しようとする姿勢を促します。

幅広い分野を網羅する充実の内容

『kotoba』では、ノンフィクションやアカデミズムをベースに、幅広い分野の記事が掲載されています。特集記事は、4～8ページにも及ぶ充実した内容で、120ページほどの誌面に、年間を通して様々なテーマが取り上げられます。過去の特集テーマには「生物多様性」「脱成長の経済」「ポスト3・11」「男と女」「日本語をあそぶ」「本屋に行こう」「夏目漱石」「食べるって何？」「生命とは何だろう？」「開高健」「南方熊楠」などがあり、社会、文化、歴史、科学など、多岐にわたるテーマが網羅されています。

著名な論客たちの寄稿・インタビュー

第一線で活躍する作家や論客の寄稿、インタビュー、対談なども掲載されています。例えば、池谷裕二氏と佐野史郎氏の連載対談「脳にきく音楽」と「失われゆく『何か』を求めて」は、異なる専門分野からの視点が交わることで、新たな知見を生み出しています。他にも、様々な分野の専門家や著名人の寄稿によって、多様な知見を提供しています。

継続的な考察を促す連載記事

『kotoba』では、複数の連載記事が掲載されており、継続的な考察を促します。加藤典洋氏の「敗者の想像力」、水野和夫氏の「資本主義の超克」、星野博美氏の「香港の黄色い傘」、岩本沙弓氏の「米古文書で探る日米関係の真実」、森達也氏の「現代の聖地」、太田和彦氏の「東京エレジー」など、それぞれの分野の専門家が、独自の視点から社会問題を分析しています。これらの連載記事は、読者に長期的な視点を与え、社会現象を深く理解する上で役立ちます。

書評や映画評など多様なコンテンツ

書評や映画評などのコンテンツも充実しており、中島岳志氏、石川直樹氏、石原千秋氏、北上次郎氏、仲俣暁生氏、町山智浩氏など、各分野の第一人者が執筆しています。これらのレビューは、読者の読書体験を豊かにし、新たな知識や視点を提供します。

マスコットキャラクター「トート神」

『kotoba』のマスコットキャラクターは「トート神」です。このキャラクターは、雑誌の個性的な雰囲気を象徴する存在として、読者から親しまれています。

まとめ

『kotoba』は、多様性というテーマを軸に、現代社会の複雑な問題を深く掘り下げ、読者に思考のヒントを提供する季刊誌です。ノンフィクション、アカデミズム、そして著名な論客たちの寄稿・インタビューなど、多様なコンテンツが充実しており、知的刺激を求める読者にとって、魅力的な一冊となっています。

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