Pgrep

pgrepコマンドは、指定されたパターンに一致するプロセス名を検索し、そのプロセスID（PID）を返すユーティリティです。このコマンドは、Solaris 7で最初に導入され、その後LinuxやOpenBSDなどのUnix系オペレーティングシステムで広く利用されるようになりました。

pgrepの基本的な動作

pgrepの最も基本的な使い方は、プロセス名の一部または全部を指定して、それに対応するPIDを取得することです。例えば、`pgrep taskname`と入力すると、`taskname`という名前を含むプロセスが実行されている場合、そのPIDが標準出力に表示されます。この操作は、`ps ax | grep taskname | grep -v grep | awk '{print $1}'`という複雑なコマンドと同等の結果をもたらし、pgrepがいかに簡潔にプロセス情報を取得できるかがわかります。

pgrepの利点

pgrepの主な利点は、以下の点です。

1. コマンドの簡潔さ: 複雑なパイプ処理を必要とせず、単一のコマンドで必要な情報を取得できます。
2. 正規表現のサポート: 拡張正規表現を使用できるため、より柔軟なパターンマッチングが可能です。
3. 絞り込み機能: ユーザーIDやグループIDに基づいてプロセスを絞り込むことができます。

pgrepのオプション

pgrepは、さまざまなオプションをサポートしています。以下にいくつかの例を示します。

`-l`オプション：プロセスIDだけでなく、プロセス名も表示します。
`-G group`オプション：特定のグループに属するプロセスのみを表示します。
`-u user`オプション：特定のユーザーが実行しているプロセスのみを表示します。
`-v`オプション：指定した条件に一致しないプロセスを表示します。

例えば、`pgrep -l -G other`は、`other`というグループに属するすべてのプロセスのPIDと名前を一覧表示します。また、`pgrep -v -u root`は、`root`ユーザー以外のすべてのプロセスを表示します。

類似のコマンド

pgrepと類似の機能を持つコマンドには、`pidof`と`ps`があります。

`pidof`は、指定されたプロセス名のPIDを表示しますが、pgrepほど柔軟な検索機能はありません。
`ps`は、システム上のすべてのプロセスに関する詳細な情報を表示しますが、pgrepのように特定のプロセスを簡単に検索するには、grepなどの他のコマンドと組み合わせて使用する必要があります。

pgrepの活用

pgrepは、スクリプトやシステム管理において、特定のプロセスを監視したり、特定の条件を満たすプロセスを操作したりする際に非常に役立ちます。例えば、特定のプロセスが実行中かどうかを確認したり、特定のユーザーが実行しているすべてのプロセスを一覧表示して、それらを強制終了するスクリプトを作成することも可能です。

関連項目

`pkill`: プロセス名などの属性を指定してプロセスにシグナルを送ります。
`ps`: 現在実行中のプロセスに関する詳細情報を表示します。
`grep`: 正規表現にマッチする行を検索して表示します。

外部リンク

pgrep(1) JM Project

もう一度検索