ReFS

ReFS（Resilient File System）について

ReFS（Resilient File System）は、Microsoftが開発した新しいファイルシステムで、Windows Server 2012で導入されました。従来のNTFSでは対応が難しくなった要求に応えることを目的に設計されたこのシステムは、サーバー向けのファイルシステムとしての機能を持っていますが、NTFSの後継ではなく、独自の特性を持っています。また、Windows 11の23H2以降では、開発者向けのDev Driveとしても利用されるようになりました。

特徴と信頼性

ReFSは特にデータの信頼性を重視しており、データの破損を防ぐために各種のメカニズムを採用しています。メタデータの整合性に常に留意し、ユーザーデータに対しても整合性ストリーム機能を利用して任意にデータチェックを行います。また、書き込み時の割り当てとチェックサムを組み合わせることで、データ破損のリスクを低減しています。

この他にも、定期的に「スクラブ」と呼ばれる全データの確認を実施しており、これによってあまりアクセスされないデータの隠れた破損を未然に防ぐ役割を果たします。

可用性と自動修正機能

ReFSでは、ミラー記憶域やパリティ記憶域を使用している場合、データ読み取り時にチェックサムミスマッチが発生した場合、自動的に冗長コピーから修正を行うことができます。このプロセスにはアプリケーションからの手動介入は一切不要です。もしも冗長データが破損していた場合には、サルベージと称される作業で破損データを削除し、読み取り失敗の通知を行います。このように、スクラブ、自動修正、サルベージのすべてがオンラインで行われるため、システムのダウンタイムを最小限に抑えられます。

拡張性

ReFSはディスクの割り当てを異なる層に分けることで競合を避け、NTFSが持つ256TBという最大ボリュームサイズをはるかに超えるサイズのボリュームもサポートします。こうした設計により、大規模なデータセンターやストレージ環境での利便性が向上しています。

互換性とサポート

ReFSはNTFSとの互換性も考慮されており、NTFSで良く使われる機能のみをサポートしています。一方で、利用頻度の低い機能は省かれています。また、Windows APIレベルでの互換性を保っているため、開発者にとっても扱いやすい設計となっています。

Windows 10の1709以降では、Pro for WorkstationおよびEnterpriseエディションにおいてのみ、ReFSパーティションの作成が可能となっていますが、他のエディションでも読み書きはサポートされています。

バージョン管理

ReFSファイルシステムの具体的なバージョンは、Windows OS上で特定のコマンドを用いて確認することができます。ReFSのバージョンは主に以下の3つに分類されます。

• - バージョン1
• - バージョン2（Windows Server 2016 Technical Previewでのみ実装）
• - バージョン3

これにより、ReFSの進化と機能拡張の履歴を追いやすくなっています。

ReFSは、これまでのファイルシステムの課題を克服するための新たな試みに満ちています。その特性を活かして、ビジネスや開発環境におけるデータ管理の効率化が期待されます。

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