いいことあるさ

いいことあるさ（ザ・コレクターズ）

日本のロックバンド、ザ・コレクターズが1996年にリリースしたシングル作品に「いいことあるさ」がある。バンドにとって通算9作目のシングルにあたるこの楽曲は、同年発表された「涙のレインボーアイズ」「GLORY DAYS」に続く形で世に送り出された。

概要

本作は、特にそのタイアップによって広く認知されることとなった。フジテレビ系列で放送されていた人気テレビアニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』（通称：こち亀）のエンディングテーマとして採用されたのである。このタイアップはシングルの販促にも大きく影響し、ジャケットデザインにはザ・コレクターズのメンバーの肖像と共に、アニメおよび原作漫画の主人公である両津勘吉のイラストが特別に配された。これは、バンドのファンだけでなく、『こち亀』の視聴者層にもアピールするための企画であったと考えられる。

収録曲

シングルには、表題曲の「いいことあるさ」を含む計3トラックが収録されている。全ての楽曲の作詞・作曲は、バンドの中心人物である加藤ひさしが手掛けた。

1. いいことあるさ [3:52]
シングルのタイトルを飾る楽曲。前向きなメッセージが込められたこの曲は、アニメのエンディングで使用されたことでも知られる。この楽曲のミュージック・ビデオには、後にモデルや俳優として活動する栗原類が、幼少期に出演していたことでも話題となった。
2. 恋はLet's Go! (LIVE VERSION) [2:52]
カップリング曲として収録されたのは、ライブ音源の「恋はLet's Go!」である。シングルのリリース形態でライブバージョンが収録されるのは、当時のバンドの勢いを伝える試みでもあっただろう。
3. いいことあるさ (Original Karaoke) [3:52]
表題曲のインストゥルメンタル・バージョンとして、オリジナル・カラオケも収録された。歌唱メロディ以外の演奏部分のみを聴くことができる。

主な収録アルバム

「いいことあるさ」は、シングルの形態だけでなく、その後様々なアルバムに収録されている。ザ・コレクターズ自身のオリジナルアルバムやベストアルバムはもとより、タイアップ先の『こちら葛飾区亀有公園前派出所』関連のサウンドトラックにも収録された。主な収録アルバムは以下の通りである。

ザ・コレクターズのアルバム:

MIGHTY BLOW: オリジナルアルバムとしてはこの作品に「いいことあるさ」のアルバム・バージョンが収録された。シングルとは異なるアレンジやテイクが楽しめる。カップリング曲「恋はLet's Go!」も、このアルバムにはアルバム・バージョンで収録されている。
MIGHTY BLOW (+7) ※紙ジャケット再発盤: 2007年に紙ジャケット仕様で再発された際に、ボーナス・トラックとしてシングル・バージョンの「いいことあるさ」と「恋はLet's Go! (LIVE VERSION)」が追加収録された。これにより、オリジナルアルバムにシングル音源も合わせて聴くことが可能になった。
RETROSPECTIVE: バンドの活動を振り返るベストアルバムの一つであり、ここにシングル・バージョンの「いいことあるさ」が収録されている。
all time favorite: ファンやメンバーによって選曲されたオールタイムベストアルバムにも、「いいことあるさ」が収められている。
THE REVIVAL OF TRIAD [2015] MINI BEST -THE COLLECTORS: トライアド時代の音源をまとめたミニベストアルバムにも含まれている。

『こちら葛飾区亀有公園前派出所』関連アルバム:

こちら葛飾区亀有公園前派出所～音楽集～: アニメの初期に使用された楽曲を集めたサウンドトラックアルバムに、「いいことあるさ」のテレビサイズ・バージョンが収録された。
「こちら葛飾区亀有公園公園前派出所」音楽集2: 後に発表された音楽集第二弾にも、同じくテレビサイズ・バージョンが収録されている。
こち亀百歌選～主題歌ベストコレクション～: アニメの主題歌やエンディングテーマを集めたコンピレーションアルバムであり、ここにシングル・バージョンの「いいことあるさ」が収録された。

楽曲の背景

「いいことあるさ」のメロディは、ヴィレッジ・ピープル（Village People）のディスコ・ソング「ゴー・ウエスト（Go West）」からインスピレーションを得て借用されたものである。オリジナル曲とは異なる歌詞とアレンジが施され、ザ・コレクターズ独自のポップでロックンロールなサウンドに昇華されている。

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