オトシモノ

拾われた物…それは、消滅への序章―。ホラー[[映画]]『オトシモノ』の物語

2006年9月30日、日本の映画史に新たな1ページが刻まれました。邦画として初めて韓国で先行上映されたホラー[[映画]]、『オトシモノ』です。キャッチコピーは「拾ってはいけない。」シンプルながらも、見る者の背筋を凍らせるインパクトのある言葉です。

物語は、三葉電鉄水無駅で始まる。平凡な日常を送っていた高校生、木村奈々は、妹の範子が突然姿を消してしまうという衝撃的な出来事に遭遇します。その直前、奈々の兄である福田孝は駅で定期券を拾っていました。そして、その定期券だけでなく、ブレスレットを拾った者も、同様に姿を消していたのです。

これは単なる偶然の一致でしょうか？それとも、何か恐るべき力が働いているのでしょうか？妹の行方を追う奈々は、事件の謎を解き明かすべく、奔走します。

そんな奈々の前に、普段は口を利かない同級生、藤田香苗が現れます。香苗もまた、彼氏の須藤茂がブレスレットを拾ってから姿を消したというのです。二人の少女は、互いに協力し、事件の真相へと迫っていきます。

調査を進める中で、奈々と香苗は水無駅のホームに不気味な黒服の女性を目撃します。その女性は、かつてこの路線で起きた事故で亡くなった青沼八重子という女性と関係があることが判明。さらに、三葉電鉄の運転手、久我俊一もこの不可解な事件に興味を持ち、駅や電車内の落とし物管理を担当する同僚の川村から話を聞き、独自に調査を始めていました。

やがて明らかになるのは、水無駅周辺、そして三葉電鉄にまつわる過去の出来事。水無トンネルや、その周辺の土地に隠された、恐るべき真実。そして、黒服の女性、青沼久美の過去…。

物語は、様々な登場人物の視点を通して展開していきます。沢尻エリカ演じる木村奈々、若槻千夏演じる藤田香苗、小栗旬演じる久我俊一、そして杉本彩演じる青沼久美など、豪華キャストが織りなす、スリリングな展開は、観客を最後まで魅了します。

映画『オトシモノ』は、単なるホラー[[映画]]にとどまりません。人間の業、過去の影、そして、不可解な現象…様々な要素が複雑に絡み合い、奥深い謎と、予測不能な展開が待ち受けています。

さらに、映画の世界観をより深く楽しむことができる関連作品も存在します。角川書店から刊行された漫画版『オトシモノ』は、映画の前日譚を描いており、久我俊一の高校時代の同級生である双子が主人公。黒服の女性、青沼久美の過去にもスポットライトが当てられています。また、小説版『オトシモノ』（著：福澤徹三、角川書店）は、映画のノベライズであり、三葉電鉄水無駅と黒橋駅を結ぶ水無トンネルとその周辺の土地の歴史が詳しく描かれています。

映画公開に合わせて、よみうりランドでは「呪われたオトシモノ」という関連イベントも開催されました。2006年7月15日から9月10日までの期間限定で、お化け屋敷「恐怖の館」に映画の一場面を再現したウォークスルー型アトラクションが登場。映画の世界観を体感できる、貴重な機会となりました。

『オトシモノ』は、北総鉄道矢切駅・北国分駅などで撮影が行われました。これらの駅を訪れることで、映画の舞台となった場所を実際に感じることができるでしょう。

「拾ってはいけない。」というキャッチコピーが示唆するように、この映画は、一見平凡な日常の中に潜む、恐怖と謎を鮮やかに描き出しています。もしあなたが、忘れがたいホラー体験を求めているなら、『オトシモノ』は必見の作品と言えるでしょう。

もう一度検索