おぼろづき

おぼろづきの概要

おぼろづきは、北海道で開発されたイネの品種で、低アミロース米として知られています。この品種は、農研機構が育成したもので、北海292号という系統番号のもとで試験が行われ、2003年に水稲農林389号として正式に命名登録されました。「おぼろづき」という名前は、その特性が薄く白濁している様子を朧月に例えたものです。

この品種のアミロース含有率は約14%と、従来の北海道産の粳米と低アミロース米の中間的な位置づけにあります。また、ほのかな甘みと独特の風味が特長で、冷めても硬くなりにくいことから、さまざまな料理に適しています。2018年時点での評価では、北海道産米の中では粘りが最も強く、食味試験では「コシヒカリ」にも匹敵する評価を受けています。

特に2006年には、北海道産として初めて美唄産の「おぼろづき」が第8回米・食味分析鑑定コンクールにおいて総合部門の金賞に輝き、その品質の高さが証明されました。さらに、一定の品質基準をクリアしたものは「八十九」というブランド名で販売されています。

作付状況

おぼろづきの作付が本格的に始まったのは2006年からで、特に2009年にはその作付面積が6,253ヘクタールに達しました。しかし、その後は作付面積が減少傾向にあり、2020年には2,163ヘクタールになり、品種別では「ふっくりんこ」に次いで第5位となっています。

歴史的背景

この品種は当初注目を浴びていませんでしたが、2004年に放送された札幌テレビ放送のバラエティー番組「1×8いこうよ!」での食味試験の結果をきっかけに、急速に注目を集めるようになりました。この出来事はおぼろづきの作付拡大に大きく寄与しました。おぼろづきは、空育150号（あきほ）と95晩37（きらら397の培養変異）を交配して生まれた品種です。

参考文献

おぼろづきに関する情報は、以下の資料に基づいています。

• - 株式会社日本食糧新聞社編『全国お米のこだわり銘柄事典』(2018年4月10日)
• - 石谷孝佑編『新版 コメの事典-稲作からゲノムまで-』(2009年11月20日)

関連項目

• - だて正夢

おぼろづきはその独特の美味しさと品質から、今後も多くの人々に愛される存在であり続けることでしょう。

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