がくっぽいど

がくっぽいどの概要

がくっぽいどは、株式会社インターネットが開発した音楽製作用のボーカル音声ライブラリです。2008年7月31日に最初の製品が発売され、歌手GACKTの声を基にしたサンプル音源を提供しています。このソフトを用いることで、ユーザーはメロディーと歌詞を入力することでGACKTの声で歌わせることができます。また、2009年には携帯電話からも利用できる「ケータイがくっぽいど」が開設され、さらに幅広いユーザーにアクセス可能になりました。がくっぽいどの名称は、GACKTの業界名から取られたもので、ラテン文字では「GACKPOID」と表記されます。

製品の特長

このボーカル音源は、ヤマハが開発したVOCALOID技術に基づいており、特に初心者でも使いやすい設計がされています。初めての製品は「VOCALOID2」エンジンに対応しており、2008年に発売された際には男性声のボーカル音源として注目を集めました。購入者にはGACKTの代表曲を使用したサンプル音源や詳しいマニュアルが同梱されており、さまざまな楽曲制作に活用されています。推奨テンポは60～150BPMで、推奨音域はA1～C4です。

その後も、2012年から2014年にかけて「VOCALOID3」「VOCALOID4」エンジンに対応した複数の音源がリリースされました。また、これらの新しい音源は、音声の質や特性が異なり、ユーザーのニーズに応じた柔軟な利用が可能です。特に「がくっぽいど POWER」は力強い声質を持ち、「がくっぽいど WHISPER」は穏やかで優しい声が特徴です。

神威がくぽ

「がくっぽいど」のイメージキャラクターである神威がくぽは、GACKTの旧芸名を元に名付けられました。そのデザインは漫画家の三浦建太郎によるもので、「電脳和装」という独特のスタイルが特徴です。着物をイメージした衣装は、軍服を意識する要素も取り入れられています。また、神威がくぽは楽器「楽刀」を持つキャラクターとして設定されており、このキャラクターを通じて音楽の楽しさをさらに広げることが意図されています。

キャラクターの利用とコンテスト

がくっぽいどには、クリプトン・フューチャー・メディアと同様のキャラクター利用ガイドラインが設けられています。これに従えば、非商用の二次創作物が許可され、多くのファンがそのキャラクターを使って独自の作品を制作しています。また、2009年には「がくっぽいどコンテスト」が行われ、結果的に255作品が応募され、GACKT自身が優秀作品を選定するなど、ファンとの交流の場ともなりました。

エピソードと反響

GACKTがこのプロジェクトに参加することになった経緯は、ドワンゴとの関係が大きく影響しています。また、発売直後からニコニコ動画には多くのユーザーががくっぽいどの楽曲を利用して動画を制作、投稿しており、急速に広がりを見せました。特に、初音ミクと並ぶ人気を持つキャラクターとして、がくっぽいども多くのファンに支持されてきました。発売からわずか数日で200以上の動画が投稿され、以降も多くのメディアミックスや商品展開が進められています。

以上のように、がくっぽいどは音声合成技術の進化と共に、多くの人々にとって魅力的な音楽制作のツールとしての地位を確立しています。

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