がんばれ!Victory

がんばれ！Victory

「がんばれ！Victory」（がんばれ！ビクトリー）、略称「がんビク」は、佐賀県唐津市の小学校で出会った同級生たちによって結成された5人組の女性ロックバンドです。約10年間の活動期間を経て、2017年5月に解散しました。所属レコード会社はポニーキャニオン、所属プロダクションはエイジアプロモーションでした。

活動コンセプトと音楽性

バンドは「絶対生音主義バンドル」と「平成オールドロック」という二つの柱を活動テーマに掲げていました。「絶対生音主義」とは、ライブパフォーマンスにおいて、打ち込みや同期音源などを一切使用せず、メンバーによる生演奏のみで勝負することを意味します。一方、「平成オールドロック」は、1970年代から1980年代にかけて隆盛を極めたロックサウンドの魅力を、現代のリスナーにも分かりやすく伝えることを目指したものです。主に東京都内を中心に精力的なライブ活動を展開していました。

結成からブレイクまで

バンドの源流は、2006年に遡ります。当時小学5年生だったみなみと、従姉妹で後にたんこぶちんのメンバーとなるMADOKAが、学校の音楽指導者である横井泉氏にバンド結成の意向を伝えたことに始まります。翌年、小学6年生になった二人が改めて横井氏に請願し、同級生を募ってバンド活動を開始。当初はメンバー構成を流動的に変えていましたが、コンテスト出場の際にメンバーの音楽的な好みに応じて二つのバンドに分けられ、一方が「Victory」（もう一方が「たんこぶちん」）と命名されました。バンド名は、メンバーのれながチアリーディング経験から「Victory」という言葉を選んだことに由来しています。

結成初期から地元の音楽祭やコンテストで頭角を現し、2008年の唐津ジュニア音楽祭でのグランプリ受賞をはじめ、島村楽器主催のNEXT in 長崎（2010年）、TEENS ROCK IN HITACHINAKA（2011年）など、全国規模のコンテストでも優勝を飾ります。特に2011年には、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」に当時史上最年少アーティストとして出演し、大きな注目を集めました。同年11月にはシングル「NIJI」でCDデビューを果たしています。

上京、メジャーデビュー、そして解散

高校卒業を機に、2014年4月に活動の拠点を東京へ移しました。上京後もライブハウスを中心に年間100本以上のライブを行うなど、精力的に活動を展開。この時期から、スタッフから与えられる様々な「ミッション（指令）」に挑戦し、その成否がバンドのその後の活動方針に影響を与えるというユニークな試みが行われました。年間ライブ100本達成などのミッションクリアが評価され、2014年末には翌年のポニーキャニオンからのメジャーデビューが発表されます。

メジャーデビューを控えた2015年3月には、メンバーのアーティスト表記を従来のローマ字から平仮名に変更。同年5月20日、シングル「全力！スタート/夢のつづき」で念願のメジャーデビューを果たしました。

メジャーデビュー後も都内を中心にライブ活動を継続しましたが、2017年4月22日、公式サイトにて突然の解散を発表。そして2017年5月20日、東京・赤坂BLITZにて開催されたラストライブ「今夜は赤ブリで全力！に決まっとろうもん！」をもって、バンドは約10年間の歴史に幕を閉じました。

解散後のメンバーの活動

バンド解散後、メンバーはそれぞれの道を歩んでいます。あやきはソロシンガーや舞台女優として活動の幅を広げ、まゆこはドラマーとしての演奏活動に加え、DJとしてもイベントに出演。2018年3月には自身のバンドcOups.を結成し、リーダーを務めています。れなも約1年間の休養期間を経て、2018年6月よりシンガーソングライターとして音楽活動を再開しました。一方、しのぶとみなみについては、解散後、公に芸能活動を継続する旨の発表はなく、その後の活動は確認されていません。

その他

バンド名の「がんばれ！」の部分は、2014年7月にメンバーのダイエット失敗に対するペナルティとして追加されたものです。ディスコグラフィには複数のシングルやミニアルバムがあり、テレビ番組『Green Days』シリーズなど、メディア出演も多数ありました。ラジオではレギュラー番組も担当しています。

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