さいたま市大宮盆栽美術館

さいたま市大宮盆栽美術館

さいたま市大宮盆栽美術館は、埼玉県さいたま市北区に所在し、世界で初めての公立の盆栽美術館です。2010年に開館し、盆栽文化を広く発信することを目指しています。

歴史

大正12年（1923年）に関東大震災を受けて誕生した「大宮盆栽村」は、日本有数の盆栽園が密集する場所として知られています。この地域は国内外の盆栽愛好者にとって重要な拠点となっており、2008年に着工された大宮盆栽美術館は、2010年に正式に開館しました。

当館では、旧髙木盆栽美術館からのコレクションを核に、盆栽の名品や優品、さらには盆器や水石、歴史・民俗資料などを系統的に収集・展示します。これにより、地域の伝統産業である盆栽文化の重要性を内外に伝える活動を行っています。

特に2017年度には「世界盆栽大会inさいたま」が開催され、来館者数は9万6001人に達し、過去最高を記録しました。その後、2023年度には約5万6000人の来館者があり、外国からの訪問者は増加傾向にあります。一方、コロナ禍の影響で全体の来館者数は下がったものの、外国人の数は6720人から約8600人に増加したのは注目すべき点です。

2023年には、100周年を迎えた「大宮盆栽村」を記念して、日本国内での知名度向上を目指しクラウドファンディングを実施し、集まった資金はプロモーションやミニ盆栽の配布などに充てられる予定です。さらに、国際的な関係を構築するために、アメリカの国立盆栽・盆景園やオーストラリアのキャンベラ樹木園と姉妹館提携も行っています。

盆栽庭園

2025年3月21日にリニューアルオープンした盆栽美術館の中にある盆栽庭園は、多くの盆栽を一つの風景として楽しめることを重視しています。岩山や山々を表現するために様々な盆栽が配置され、日本庭園と盆栽の調和した美を楽しむ新たな展示方法が導入されています。

盆栽庭園の特徴

盆栽庭園は、既存の建物と調和を保ちながら、盆栽を魅せるためのデザインが施されています。園路だけでなく、ロビーや2階テラスからも庭園全体が観覧できる配置が工夫されています。また、静水部分を設け、盆栽台が水面に映るような美しい鏡面池も設計されています。猛暑時には温度を下げるための流水システムやミストの設置も行われ、春の新緑や秋の紅葉を楽しむことができます。

このように新たに整備された盆栽庭園は、地域の歴史を尊重しながら、展示の魅力を引き立てる空間に仕上がっています。

開館時間・休館日

• - 開館時間：

- 3月 - 10月：午前9時 - 午後4時30分
- 11月 - 2月：午前9時 - 午後4時

• - 休館日：

- 木曜日（国民の祝日を除く）、年末年始、展示替え期間

アクセス

• - 宇都宮線（東北本線）土呂駅東口から徒歩5分
• - 東武野田線（東武アーバンパークライン）大宮公園駅から徒歩10分

料金

• - 一般：310円
• - 高校生・大学生・65歳以上：150円
• - 小学生・中学生：100円

これらの豊かな歴史と伝統を持つ大宮盆栽美術館は、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

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