たからさがし

『たからさがし』の魅力

中川李枝子が文を担当し、大村百合子が絵を描いた絵本『たからさがし』は、1964年に福音館書店の雑誌『こどものとも』に初めて発表されてから、多くの子どもたちに愛されてきました。そして、単独の絵本としては1994年に刊行され、今もなおその価値を失わない作品として親しまれています。

あらすじ

物語は、元気な男の子・ゆうじが部屋の外で「魔法の杖」のように見える美しい棒を見つけるところから始まります。ゆうじはこの棒を自分のものにしようとしますが、同時に棒を見つけたウサギのギックもこの棒が自分のものだと主張します。二人は、自分が先に見つけたのかを決めるため、かけっこ、幅跳び、相撲といった様々な競技で勝負を挑みます。しかし、どの勝負でも勝者が決まらず、どちらも譲らない状態が続きます。

宝探しの提案

そんな時、ギックのおばあちゃんが登場します。彼女は二人に「宝探しをして、それで決めよう」と提案します。二人はおばあちゃんの言葉に従い、宝探しに出発します。この活動を通じて、互いの友情や思いやりが試されることとなります。

結末

与えられたミッションを果たすために、ゆうじとギックは力を合わせて外に飛び出し、やがて先ほど見つけた棒を再び発見します。彼らはその棒をギックのおばあちゃんのところへ届けてあげます。おばあちゃんはその棒を杖にして、助かりました。

最後には、おばあちゃんが二人を抱きしめて喜び、さらにお礼としてお菓子とお茶をごちそうします。この温かい結末は、友情や助け合いの大切さを感じさせてくれるものです。

アニメ版

また、作品は絵本だけではなく、スタジオジブリによる短編アニメーションとしても制作されています。2011年に三鷹の森ジブリ美術館で公開されたこのアニメは、約9分という短い時間に凝縮された魅力が詰まっています。企画と構成は、あの宮崎駿が手掛けており、彼の独特の感性も感じられる作品に仕上がっています。

スタッフ

アニメーション映画の製作は星野康二が担当し、演出アニメーターは稲村武志が務めています。さらに、音楽は未知瑠が手がけ、映像と音声が見事に融合した作品となっています。

評価と影響

この絵本とアニメは、どちらも子供たちに冒険心や友情の大切さを教える素晴らしいメッセージが詰まっています。親子で一緒に読んだり観たりすることができ、世代を超えて愛され続ける作品となっています。

もう一度検索