プチコン

プチコン - 自作ゲームプログラミングの楽しみ

概要

「プチコン」（PETIT COMPUTER）は、2011年にスマイルブームからリリースされたニンテンドーDSiウェアで、独自のBASICプログラミング環境を提供します。このソフトウェアは、北海道札幌市に拠点を置く開発チーム（土地を活かすJOEDOWN、スマイルブーム、ロケットスタジオの3社）の共同によって生まれました。プチコンは、1980年代の低価格帯ホビーパソコンを模倣した設計で、当時懐かしい感触の中で自作ゲームを楽しむことができます。

SMILEBASIC

プチコンは、SMILEBASICという独自のBASIC言語を内蔵しており、ユーザーは自由にプログラムを自作可能です。プログラムはDSi本体にメモリ保存でき、ワイヤレス通信を介してデータの交換が行えますが、セキュリティ上の理由から、不特定のユーザー間でのデータ交換にはSDメモリーカードなどを介して行う必要があります。

さらにプチコンmkIIでは、SDカード出力やQRコードを利用したデータの入出力も可能になりました。昔のパソコンがカセットテープを使用していた時代を模して、データのSAVEやLOADの際に音が鳴るオマージュも存在します。

プログラミングの仕様

プログラミングにおいては、1MBの高性能メモリを用いており、ゲームを作成することが可能です。アーケードゲームと同等の動作速度を実現しており、ファミリーコンピュータと同じレベルのゲームを作れる点が特長です。

編集モードと実行モード

プログラムの編集が行える「編集モード」と、実行する「実行モード」を搭載しており、現代的なテキストエディタのような使い勝手を提供しています。行番号指定は、プチコンではすべてラベル方式に統一され、ユーザーのプログラミング負担を軽減しています。また条件文や命令文の記述も、直感的に行えるように工夫されています。

音声機能とグラフィック

サウンド機能では、当時のMML（Music Macro Language）方式とDSのサウンド方式が融合した形で、幅広い音色や効果音を実現しています。さらに、コンソールとグラフィックの表示機能が整っており、さまざまなキャラクターや背景を自由に描写できる環境が整えられています。

プチコンmkIIの進化

2012年にはプチコンmkIIが発売され、初代プチコンの上位互換バージョンとして多くの新機能が追加されました。具体的には、プログラムのホームメニューが設けられ、ユーザーはプログラムの作成や管理をよりスムーズに行えるように設計されています。QRコードによるプログラムの共有方法や、音楽や発声機能の拡張も行われ、多彩な表現が可能です。これにより、自作したキャラクターやサウンドを活用したゲーム制作がさらに深まることでしょう。

開発の経緯

プチコンの開発は2010年に始まり、スマイルブームの代表がBASICに対する興味から着想を得たことが発端です。最初のアイデアは札幌の企業で実現しようということから、JOEDOWNやロケットスタジオとの共同開発が行われました。

当時のニンテンドーによる審査プロセスを経て、技術的に安全な内容であることが認められ、教育データベースとしての位置づけが確立されました。これにより、多くのユーザーがプチコンを通じてプログラミングの楽しさを体験できる機会が提供されたのです。

結論

プチコンは、プログラミングを通じて創造力を育むためのツールとして、今もなお多くのユーザーに親しまれています。シンプルながらも奥深いプログラミング環境を提供し、ゲーム制作の楽しさを引き出す体験を提供しているのです。

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