フリフリ

フリフリ

「フリフリ」は、日本の人気グループ、ザ・スパイダースが1965年5月10日に発表した楽曲です。当時の名義は「田辺昭知とザ・スパイダース」でした。エレキバンドとして主に演奏活動を行っていた彼らにとって、このシングルは初めてボーカルが加えられたオリジナルの楽曲として記録されています。

この楽曲は、クラウンレコードからリリースされました。同レーベルは主に歌謡曲を取り扱っていたため、当時のレコード分類上では「流行歌」として扱われています。

楽曲の内容と背景

「フリフリ」は、当時広く楽しまれていたダンス、モンキーダンスをモチーフとしています。レコードジャケットには、サブタイトルとして「モンキーで踊ろう」という一文が添えられていました。ジャケット写真には、メンバーが演奏するのをバックに、堺正章と井上順の二人がモンキーダンスのポーズを取る姿が写っています。興味深いことに、作曲者であるかまやつひろしはこの写真に写っていません。これは撮影に遅刻したためと伝えられています。

楽曲の大きな特徴の一つは、全体を通して繰り返される三拍子の手拍子です。イントロからエンディングまで一貫してこの手拍子が挿入されています。作曲者のかまやつひろしは、後年、この手拍子について「手拍子は世界共通で誰にでもノリやすいから」とその意図を語っています。また、実際のライブステージでは、メンバーが演奏を始める前に観客に対し「皆さん、手拍子三つお願いします」と呼びかけ、会場全体で手拍子をしながら楽曲に入っていくというパフォーマンスも見られました。

B面「モンキー・ダンス」

シングルのB面には「モンキー・ダンス」という楽曲が収録されています。こちらの作詞は阿久悠、作曲は脇野光司によるものです。この「モンキー・ダンス」は、後に数多くのヒット曲を手がけることになる作詞家、阿久悠にとってプロデビュー作にあたる記念すべき一曲です。A面と同様、「モンキーで踊ろう」というサブタイトルがジャケットに記載されていました。

再録音版と後年の展開

翌1966年、これらの楽曲は再録音されました。A面の「フリフリ」は「フリ・フリ'66」と、B面の「モンキー・ダンス」は「ミスター・モンキー」とそれぞれ改題され、同年4月15日にフィリップス・レコードから発売されたファーストアルバム『ザ・スパイダース・アルバムNo.1』に収められています。

「フリ・フリ'66」は、フィリップスとの契約上の関係から、改めて英語の歌詞が付けられました。一方、「ミスター・モンキー」は原曲からの大きな改変はなかったものの、作曲者のクレジットが「チャーリー脇野」と表記されています。「フリ・フリ'66」は、アルバムに先行して、同年2月1日にフィリップスから発売された4曲入りのコンパクト盤にも収録されていました。

影響とカバー

この楽曲は、後世の音楽にも影響を与えています。例えば、人気バンドであるサザンオールスターズの楽曲「フリフリ'65」は、この「フリフリ」がタイトルの由来となっています。また、2016年12月21日に発売されたThe KanLeKeeZのアルバム『G.S.meets The KanLeKeeZ』には、この楽曲のカバーバージョンが収録されており、桜井賢がリードボーカルを務めています。

「フリフリ」は、ザ・スパイダースがエレキインストバンドから歌唱を取り入れたグループへと変遷していく初期段階を示す楽曲であり、当時のダンスブームを取り入れた時代の空気を感じさせる一曲として、日本のポピュラー音楽史において重要な位置を占めています。

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