ほめられてのびるらじお

『ほめられてのびるらじお』：12年間愛されたインターネットラジオ番組

『ほめられてのびるらじお』は、Purple Softwareとぱれっとというゲームメーカーがスポンサーとなり、音泉という配信サイトで放送されたインターネットラジオ番組です。2007年から2019年まで12年間に渡り、パーソナリティである荻原秀樹さんと風音さんの軽妙なトークと、ユニークな企画の数々で多くのリスナーを魅了しました。

番組は当初『ほめられてのびるらじおPP』としてスタート。タイトルのPPはスポンサー両社の頭文字に由来します。2011年には『ほめられてのびるらじおZ』へとリニューアルされ、制作委員会も発足。番組の規模が拡大していく様子が伺えます。

約30分の収録時間ながら、実際には50分から60分にも及ぶ熱のこもった放送は、リスナーとの親密な距離感を生み出しました。木曜日の配信を心待ちにするリスナーも多くいたことでしょう。番組は2016年には第3回アニラジアワードで「BEST CREATIVE RADIO 企画ラジオ賞（一般）」を受賞するなど、高い評価を獲得しています。

番組内では、特徴的なキャラクターであるのびるちゃんとPタンが登場。のびるちゃんは葉が生えた女の子、Pタンはアヒルの様な生き物で、個性的なデザインが番組を彩りました。キャラクターデザインはPurple Softwareの原画家である湯氏が担当し、声は風音さんと荻原さんが担当していました。

番組は、リスナー参加型のコーナーが豊富で、投稿メールを元に展開される企画が数多く存在しました。「荻さん風音さんきいてください」ではリスナーからの質問や意見に答える定番コーナー、「週刊ほめらじニュースZ」ではその時々の話題について語り合いました。

また、番組初期からの人気コーナー「PPカスタマイズ」では、リスナーから寄せられたキャラクター、シチュエーション、セリフを組み合わせ、パーソナリティやゲストがアドリブで演じるという、毎回予測不能の展開が魅力でした。

その他にも多くのコーナーが存在し、リニューアルを経て内容が変更、もしくは終了していくものもありました。番組の長期に渡る人気を象徴するかのように、その数は膨大で、リスナーの参加によって変化していく内容も魅力の一つでした。

番組には、Purple Softwareやぱれっとが制作したゲームの宣伝コーナーも存在しましたが、あくまでも自然な形で番組に溶け込ませる工夫が見られました。これは、制作陣の番組に対する深い愛情と、リスナーを大切にする姿勢の表れと言えるでしょう。

番組終了は2019年10月3日。12年間の歴史に幕を閉じました。その間、多くのゲストを迎え、番組オリジナルのCDや書籍、イベントなどを展開。番組を彩る音楽も多数制作され、リスナーにとってかけがえのない思い出が数多く作られました。

特に風音さんの個性的なキャラクター、「S音様」として親しまれるドSな一面と、独特の口調、そして「ユキチ」という言葉の連呼は、番組を象徴する要素の一つとなり、リスナーの記憶に強く刻まれていることでしょう。一方、荻原さんは風音さんの自由奔放な言動にツッコミを入れつつ、番組をまとめる役割を担っていました。

『ほめられてのびるらじお』は、パーソナリティ、リスナー、そして制作スタッフの三位一体となって作り上げた、他に類を見ないユニークな番組でした。12年間という長い期間にわたって愛され続けたその理由は、まさにこの番組の個性と、作り手の情熱にありました。番組終了後も、その魅力は多くのリスナーの心の中に生き続けることでしょう。

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