やっさいもっさい

やっさいもっさい踊り

やっさいもっさいとは、千葉県木更津市を代表する伝統的な踊りです。この踊りは、毎年8月14日に木更津港まつりの一環として開催され、木更津駅西口の「富士見通り」で多くの人々が集まります。

起源と意味

この踊りの名前は、元々木更津甚句の囃子言葉に由来しています。「やっさいもっさい」は「そこのけそこのけ」という意味を持ち、地域の歴史と文化が色濃く反映されています。特に、「矢那川の上流にある船着き場の名前が訛ったもの」とする説が有力です。一方、曲の中で使われる「おっさおっさ」という掛け声も、木更津甚句の一部であり、「おお、そうだよ」といった同調の意味になります。

近年の発展

1970年代に木更津市に新たな住民が増加する中で、地域住民の交流に欠かせないイベントとして、1974年に「やっさいもっさい踊り」が始まりました。唄の担当は、デューク・エイセスが行っています。多くの参加者が連を組んで踊るスタイルは、徳島市で行われる阿波おどりに似ており、「房総版阿波踊り」とも称されることがあります。

この踊りは2000年代に入ると、テレビ番組やドラマで取り上げられる機会が増え、2002年の『木更津キャッツアイ』放送以降、その知名度は全国的に広がりました。特に、地元企業や地域のファンから成る連が新たに参加するようになり、毎年新たな参加者が続々と集まっています。これにより、踊りに対する注目度が一層高まりました。

参加条件とルール

この踊りに参加するためには事前の申請が必要です。また、参加者は地元の町内会や企業に属することが求められています。具体的な参加条件は、毎年の連募集要項に記載されています。連の構成や踊りのスタイルにも独自のルールが設けられており、先頭には連長や副連長、警備担当などが配置され、各連にはオリジナルの衣装やプラカードが備えられます。

受賞制度

やっさいもっさい踊りでは、優れたパフォーマンスをした連には審査が行われ、各種賞が授与されます。最優秀連には「やっさいもっさい大賞」が授与され、1位から3位に対しての賞も設けられています。特別賞もあり、チームワークや衣装のデザイン、家庭的なスタイルなど様々な観点から評価されています。

歴史的背景

1974年に第1回が開催されて以来、やっさいもっさいの踊りは地域の文化として定着していきました。多くのイベントと同様に、2009年には特別賞が新設されるなど、次第に進化を遂げています。2011年には東日本大震災の影響で特異な形で開催されたこともあり、2020年から2022年には新型コロナウイルスの影響で中止され、オンライン祭が開催されました。

2023年には4年ぶりに開催され、踊りの基本スタイルが継続されました。地域住民の絆や新たな参加者の交流を育むこの踊りは、今後も木更津の夏の風物詩として、多くの人々に愛され続けていくでしょう。

おわりに

やっさいもっさいは、歴史ある踊りであると同時に、地域の文化の発展を象徴するイベントでもあります。これからもその魅力が広がり、より多くの人々が参加し、楽しむことが期待されます。

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