アイドライジング!

アイドライジング！：近未来のアイドルバトルエンターテイメント

『アイドライジング！』は、広沢サカキ氏によるライトノベル作品。2011年から2012年にかけて電撃文庫より刊行され、第17回電撃小説大賞金賞を受賞した人気作です。CUTEG氏によるイラストも魅力の一つとなっています。2012年度の『このライトノベルがすごい！』では作品部門9位を獲得するなど、高い評価を得ています。電撃文庫MAGAZINEと電撃萌王で連載され、電撃G'sコミックでは2本のコミカライズも展開されました。

物語の舞台：科学技術が発展した近未来日本

舞台は科学技術が高度に発達した近未来の日本。そこで人気を博しているのが、「アイドライジング」と呼ばれる一大エンターテイメントです。企業が開発した最先端技術を結集したバトルドレスを身につけたアイドルたちが、華麗で激しいバトルを繰り広げるこのエンターテイメントは、多くの人々を魅了しています。

主人公：アイザワ・モモと彼女の仲間たち

主人公のアイザワ・モモは、ある事情から賞金を得るためにアイドライジングの世界に飛び込みます。181cmという長身と、故郷の牧場で鍛え上げた強靭な肉体、そして持ち前の明るさと真面目さで、数々の試練を乗り越えていきます。彼女を支えるのは、若手プロデューサーのオウダ・サイ。身長140cmに満たない小柄な体格ながら、アイドライジングへの深い知識と情熱でモモをサポートします。二人は、時にぶつかり合いながらも、強い信頼関係で結ばれています。

モモを取り巻くのは、個性豊かなアイドルたちです。ライバルであり、時に協力者となる存在、そしてそれぞれの事情や葛藤を抱えながら、アイドライジングの舞台で輝きを放ちます。

ハセガワ・オリン: ラネイド所属のアイドル。モモとは鳴谷鶯高校の同級生。空を舞うような華麗なバトルスタイルが特徴です。
タキ・ユウエン: 桐浜電鉄所属のベテランアイドル。高い実力とプロ意識を持ち、モモにとって憧れであり、時に厳しくも温かい先輩です。
マツリザキ・エリー: アイドライジング三連覇中の最強アイドル。圧倒的な実力と、美食家としての顔も持ち合わせています。
ムラサメ・キジョウ: エリーに次ぐ実力を持つ若手アイドル。武道家としての高い技量と、芯の強さを持ち合わせています。
ミジョウ・レンゲ: 新人アイドル。不思議な雰囲気と、隠された狡猾さを秘めています。
ユウゼンジ・アレコ&ナギコ: 双子の姉妹アイドル。コンビネーション抜群のバトルスタイルで、タッグマッチでは高い勝率を誇ります。

そして、アイドルたちを支える大人たちも、物語を彩ります。モモをスカウトしたキムラ・ユウガク、オリンが所属するラネイドの代表ウダガワ・ジュンイチなど、個性的なキャラクターが多数登場し、物語に深みを与えています。

アイドライジングの世界：バトルドレスとアクセルスマッシュ

アイドライジングの舞台となるのは、東京湾上に浮かぶ海上都市ニライカナイ。この都市の経済を支える重要な産業であるアイドライジングは、高度な科学技術を駆使したバトルドレスと、それを用いた必殺技「アクセルスマッシュ」が大きな魅力です。各企業が開発したバトルドレスは、それぞれ独自の特性を持ち、戦略的なバトルを展開します。

アイドライジングには、オペラ・オービット、シブースト・エアライン、ビスケット・アベニューといったアイドルのランク分けがあり、モモは下級クラスのビスケット・アベニューからスタートします。

成長と友情：モモの物語

モモは、最初は賞金を得るためだけにアイドライジングに参加していましたが、仲間たちとの出会い、そして数々の戦いを通して、次第に「みんなを笑顔にする」という、自分自身の戦う意味を見出していきます。勝利と敗北を繰り返し、仲間との絆を深めながら、モモは成長し、アイドライジングの頂点を目指します。

この物語は、アイドルたちの華麗なバトルだけでなく、彼女たちの友情、葛藤、成長といった人間ドラマも丁寧に描かれています。近未来のエンターテイメントと、人間の心の機微が絶妙に融合した、魅力的な作品です。

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