アニメサタデー630

アニメサタデー630について

『アニメサタデー630』（アニサタ）は、毎日放送（MBS）とTBSテレビが共同制作し、2017年4月15日から2019年6月29日まで毎週土曜日の朝6:30から7:30まで放送されたアニメの枠です。この枠は、TBS系列の全国ネットで1時間のアニメ枠を設定するという試みで、34年ぶりのことでした。特に注目されるのは、MBS制作の「日5」枠からの移行とTBS制作の「カミワザ・ワンダ」からの後継番組としてスタートした点です。

構成と編成の背景

「日5」からの移行ということもあり、新たに編成された枠には、MBS制作の第1部（6:30 - 7:00）と、TBS制作の第2部（7:00 - 7:30）が設けられました。TBSの菊野浩樹編成局長は「カミワザ・ワンダ」の視聴率が期待通りでなかったため、MBSのアニメと組み合わせることで、視聴者の関心を高めたかったと述べています。

歴史的背景と枠の変遷

放送枠が設定される前の歴史としては、『まんが日本昔ばなし』がTBSの土曜朝の枠に移動したのがあり、この枠での初のアニメ作品でした。1994年の枠移動から約5ヶ月後に新規制作分の放送が終了し、その後も過去の人気作が再放送される形でアニメ文化が続いてきました。TBSは2001年からアニメ枠を再開しましたが、その後情報番組の放送が優先されることで、長期的な中断を強いられていました。

再びアニメ枠が復活したのは、2016年4月からの「カミワザ・ワンダ」の放送によるもので、これは14年ぶりの新作アニメでした。2016年の年末にはMBSとTBSが合体する形で、1時間のアニメ枠を設けることを発表し、正式名称が『アニメサタデー630』となりました。

放送内容と人気作品

2017年の4月に本放送が開始され、初回には『100%パスカル先生』と『トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド 機動救急警察』が放送されました。当初は苦戦が続き、視聴率の向上が求められていましたが、2018年にはファン感謝イベントが開催されるなど、少しずつ支持を集めていきました。

終焉とその後

しかし、2019年には新しい情報番組が編成されることになり、約2年3ヶ月にわたる放送が終了しました。このため、TBS系列の全国ネットアニメは39年ぶりに廃止されることとなりました。アニメ枠が消滅したことで、TBSは子供向けコンテンツの制作からも事実上撤退する形となり、他の放送系列はアニメの制作を継続していました。

その後、2022年にはMBSが「日5」枠を再開することが発表され、2023年10月にはTBSが再び全国ネットのアニメ制作を行うことが決定したため、アニメ枠は時を経て復活への道を進むことになりました。

放送の意義と影響

『アニメサタデー630』は、それまで続いていたアニメ枠の伝統を引き継ぎつつ、新たな視点でのアニメ制作を促す場でもありました。この枠は、アニメ視覚文化の中で重要な一部を形成しており、視聴者との距離を縮め、アニメの可能性を広げる役割を果たしていました。また、この放送枠がなかった場合、地域や世代を超えたアニメの進化も見落とされていたかもしれません。

このように、アニメサタデー630の放送は、ただの娯楽ではなく、多くの視聴者に熱い応援を促し、アニメ文化の発展に寄与した重要な出来事であったと言えるでしょう。

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