アリダ・ヴァリ

アリダ・ヴァリ：映画史を彩ったイタリアの至宝

アリダ・ヴァリ（Alida Valli, 1921年5月31日 - 2006年4月22日）は、イストリア半島ポーラ（現クロアチア、プーラ）で生まれ、映画史に輝かしい足跡を残した女優です。アルフレッド・ヒッチコック監督の『パラダイン夫人の恋』、キャロル・リード監督の『第三の男』、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の『さすらい』、ルキノ・ヴィスコンティ監督の『夏の嵐』など、数々の名作に出演し、その美貌と演技力で観客を魅了しました。

多様なルーツを持つ生い立ち

ヴァリは、多様な文化的背景を持つ家庭に生まれました。父方の祖父はルイージ・アルテンブルガー男爵で、オーストリア系イタリア人の血を引いています。父方の祖母はローマ上院議員エットレ・トロメイの従姉妹。母方の祖母はドイツ系オーストリア人という複雑な家系です。本名はアリダ・マリア・ローラ・アルテンブルガー・フォン・メルケンステイン・フラウエンベルク男爵夫人という、非常に長いものでした。ローマ第3大学で博士号を取得し、フランス文化勲章やイタリア騎士勲位を受章するなど、知性と才能にあふれた女性でした。ジャズピアニストで作曲家、画家のオスカル・デ・メーヨと結婚し、2児をもうけましたが、結婚生活は8年で終わりを迎えました。

女優としての輝かしいキャリア

15歳からローマの映画センターで演技を学び始め、1935年に映画デビュー。1941年には『Piccolo mondo antico』でヴェネツィア国際映画祭の賞を受賞し、高い評価を得ました。しかし、第二次世界大戦中にはファシスト政権を嫌い、出演を拒否したために逮捕されそうになったこともあったそうです。戦後、デヴィッド・O・セルズニックと契約し、『パラダイン夫人の恋』や『第三の男』といったハリウッド映画にも出演しましたが、訛りのために成功を収めることはできませんでした。それでも、イタリアでは100本以上の映画に出演し、舞台でも活躍するなど、晩年までその才能を発揮し続けました。

アリダ・ヴァリは、その美貌、知性、そして演技力で、映画史に永遠に名を残すことでしょう。彼女の出演作品は、今もなお多くの人々に愛され、語り継がれています。

主な出演作品

パラダイン夫人の恋 (1947)
第三の男 (1949)
さすらい (1961)
夏の嵐 (1954)

外部リンク

Official Website
アリダ・ヴァリ - IMDb（英語）

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