アルバトロス

アルバトロスとは

アルバトロスとは、ゴルフ競技において、設定されたパー（基準打数）よりも3打少ない打数でホールを終えることを指します。特に、パー5のホールを2打で終える場合を指すことが多く、「ダブルイーグル」とも呼ばれます。

アルバトロスの語源

アルバトロスという名前は、英語で「アホウドリ」を意味する「albatross」に由来しています。アホウドリが、翼と風を巧みに利用して長距離を楽々と飛ぶ姿から、ゴルフでも非常に稀で、達成が困難なプレーを指すようになりました。なお、アホウドリ自体も絶滅危惧種に指定されており、その名前と同様に、アルバトロスも滅多にお目にかかれない珍しい記録となっています。

ちなみに、パーより4打少ない打数でホールを終えることは「コンドル」と呼ばれます（例：パー5のホールを1打、パー6のホールを2打で終える）。

アルバトロスの難易度

アルバトロスが達成される状況としては、パー4のホールでのホールインワン（第1打）、パー5のホールでの第2打が挙げられます。しかし、パー3のホールでのホールインワンと比較しても、その難易度は非常に高いとされています。

通常のイーグル（パーより2打少ない）は、パー5のホールであれば、状況によっては数十ヤードの位置から狙うことが可能です。一方、アルバトロスを達成するには、パー5のホールでは1打目で稼げる距離に限界があるため、2打目で200ヤード以上を飛ばす必要があり、しかもティーを使わずに直接地面から打たなければなりません。パー4のホールに至っては、350から400ヤードもの飛距離が必要となるため、達成できる人はごくわずかです。

アルバトロスの達成例

数々のプロトーナメントでも、アルバトロスは稀な記録として語り継がれています。

マスターズ
1935年: ジーン・サラゼン (4日目15番パー5) - このアルバトロスをきっかけに、サラゼンはプレーオフを制して優勝しました。
1967年: ブルース・デブリン (1日目8番パー5)
1994年: ジェフ・マガート (4日目13番パー5)
2012年: ルイ・ウーストハイゼン (4日目2番パー5)
2016年: ジャン・ハナ(3日目8番パー4)

連続アルバトロス
1964年: ノーマン・L・マンリーが、パー4の7番ホール(301m)と8番ホール(265m)で連続アルバトロスを達成しました。

日本ツアー
男子ツアーでは1986年以降で29回、女子ツアーでは1984年以降で10回記録されています。女子ツアーでは、男子ツアーと比較して飛距離が出にくいため、回数が少なくなっています。
男子では、新井規矩雄、伊沢利光、デビッド・スメイル、宮里優作が複数回達成しており、新井は合計で3回達成しています。
女子では、有村智恵が複数回達成しています。
パー4でのアルバトロス達成例は、1998年に中嶋常幸が中日クラウンズで達成した1例のみです。
有村智恵は、2011年のスタンレーレディスゴルフトーナメントで8番パー5でアルバトロスを記録した際、同ラウンドで16番パー3でホールインワンも達成しました。これは、日本女子ツアー史上初の同一ラウンドでのホールインワン&アルバトロス達成であり、世界の主要な女子ツアーでも初の快挙でした。

アルバトロスとホールインワンの確率

ホールインワンとアルバトロスを同時に達成する確率は、約1000万ラウンドに1回と言われるほど非常に低いものです。有村智恵は、2009年のフジサンケイレディスでもアルバトロスを記録しており、同日には男子ツアーでもアルバトロスが達成されるという珍しい出来事がありました。

関連情報

パー (ゴルフ)
国内男子ツアーアルバトロス達成者一覧（1985年以降）ゴルフダイジェスト・オンライン

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