アンバサ

アンバサ：消えては現れ、そして進化を続ける乳性炭酸飲料

アンバサは、日本コカ・コーラから発売されている、懐かしさと新しさが共存する乳性炭酸飲料です。北九州コカ・コーラボトリングの提案から生まれたアンバサは、1981年、北九州地域で200mlのリターナブル瓶でその歴史をスタートさせました。翌年には缶製品が全国発売され、カルピスソーダやスコールといった人気商品に対抗する存在として市場に投入されました。

当初はサワーホワイト、パインアップル、メロンの3つのフレーバーが展開され、サワーホワイトは1984年からは韓国でも販売されるほどの人気ぶりでした。しかし、1980年代後半には取り扱いボトラーが減少、販売地域も限定されていきます。

1991年には、カルピスウォーターの大ヒットにあやかり、「ホワイトウォーター」を発売。一時的な成功を収めるものの、カルピスブランドの牙城を崩すには至らず、その後はポストミックスでの販売が中心となりました。

それから時を経て、2003年以降、コンビニエンスストアを中心に販売が徐々に再開。2013年頃には全国的な販売体制が復活し、アンバサブランドは再び注目を集めるようになります。

興味深いことに、日本コカ・コーラの公式サイトにはアンバサに関する情報は一切掲載されていません。しかし、2021年、アンバサはQooブランドに統合されるという新たな展開を迎えました。

製品の種類と販売形態：複雑な歴史を反映した多様な展開

アンバサの販売形態は時代と地域によって大きく変遷しました。特にサワーホワイトは、200mlリターナブル瓶、300mlワンウェイ瓶、250ml缶、350ml缶（四国限定）など、多様なサイズで販売されていました。

2003年には「復刻缶 クラシックデザイン」として490mlボトル缶（セブンイレブン限定）が登場。その後も490mlボトル缶、300mlボトル缶が主流となりますが、販売地域や容器、容量は地域によって異なり、缶製品とペットボトル製品では原材料や味にも違いがあったほどです。

例えば、北海道では300mlボトル缶から始まり、350ml缶、270mlPETへと変化。みちのくエリアではスコールへの移行を経て、2021年に販売再開。関東・中部エリアでは一時休止を経て、300mlボトル缶、500mlPETと販売形態を変えながら現在に至ります。このように、地域ごとの販売状況は複雑で、その歴史を反映しています。

2006年には、販売会社がコカ・コーラカスタマーマーケティングに変更となり、内容・成分も変更されました。

2021年、みちのくエリアで販売再開された490mlボトル缶、250ml缶にはQooのロゴが加わり、その後北海道の公式通販では『アンバサ サワーホワイト FROM Qoo』と表記された350ml缶も登場。北陸エリアでも同様のパッケージへの変更が行われました。

パインアップルとメロンフレーバーも、200mlリターナブル瓶や250ml缶などで販売されていましたが、サワーホワイトほどは長く市場に留まりませんでした。

ホワイトウォーター：アンバサブランドのもう一つの顔

アンバサブランドには、ホワイトウォーターも存在します。1991年に発売されたホワイトウォーターは、250g缶、350g缶、1500mlペットボトルで販売されました。2009年以降は350g缶のみとなり、2014年には500mlPET（四国限定）へと進化を遂げ、パッケージデザインも3種類が展開されました。

さらに、1992年にはいちごウォーターも350ml缶で登場していました。

結論：時代を超えて愛される、アンバサの魅力

アンバサは、発売以来、販売地域や形態、パッケージデザインを何度も変えながらも、長年にわたって愛され続けているロングセラー商品です。地域限定販売や復活劇、そしてQooブランドへの統合など、その歴史は波乱に満ち溢れ、常に変化を続けてきました。日本コカ・コーラの公式情報からは確認できない、隠れた人気商品と言えるでしょう。その複雑な歴史と、地域ごとの販売状況の違いは、アンバサをより魅力的にしていると言えるかもしれません。

もう一度検索